米Appleが中国のソフトウェア企業Handseeing Information Technology買収に向けた交渉を進めていると、中国の国営通信社である新華社が8月6日(現地時間)に伝えている。Handseeingは成都と上海近くの蘇州に研究開発拠点を持つ、2005年設立のRIA (Rich Internet Application)開発を主力とする企業。最近ではRIA技術を活かしたオンラインゲームやソーシャルゲームを得意としている。Appleによる買収提案は、オンラインゲーム戦略強化が狙いとみられている。

新華社によれば、Handseeingの関係者が両社の間で現在買収価格と条件についての交渉を進めていることを明かしたという。価格は当初1億5000万ドルという報道があったが、その関係者によれば現在交渉中で最終的な価格は未定だと伝えている。また本件は、Appleにとって初の中国企業買収になる可能性があるという。Appleは現在iOS向けのソーシャルゲームサービス「Game Center」のローンチを控えているほか、Apple Retail Storeの中国での急展開にもみられるように、中国市場をターゲットにしたビジネス拡大を進めている。こうしたオンラインゲームと中国市場攻略てこ入れのための買収ではないかというのがHandseeing側の見方だ。

最近の大手米国企業は、FacebookとZyngaがソーシャルゲームで大成功していることを受けて、オンランインゲーム戦略強化を急いでいる。例えば米Googleは8月6日(現地時間)にソーシャルゲーム開発企業である米Slideを2億2800万ドルで買収したと発表している。また米Walt Disneyも同じくオンラインゲーム企業である米Playdomの買収を7月末に発表するなど、ほぼ同時期での買収締結が相次いでいる。日本でもソーシャルゲーム企業の好調さがたびたび伝えられているが、これは中国を含めて世界的なトレンドのようだ。