パナソニックは28日、デジタルハイビジョンビデオカメラ「HDC-TM750」「HDC-TM650」と、3Dコンバージョンレンズ「VW-CLT1」を発表した。発売は8月下旬。価格はオープンで、市場価格はHDC-TM750が16万円前後、HDC-TM650が13万円前後、VW-CLT1が3万8,000円前後と予想される。

「HDC-TM750」にコンバージョンレンズ「VW-CLT1」を取り付けることで、3D撮影を可能に

世界初の3D対応AVCHDムービー「HDC-TM750」(左)と「HDC-TM650」(右)

HDC-TM750/650は、3DコンバージョンレンズVW-CLT1との組み合わせることで、3D映像の撮影が可能なデジタルハイビジョンビデオカメラ。3D対応は、家庭用のAVCHDムービーとしては世界初となる。VW-CLT1は、視差のある3Dイメージを撮影するためのコンバージョンレンズで、1つのボディに左右用のレンズが組み込まれており、右眼用と左眼用の映像を同時に撮影することができる。3D用のレンズというと、かなり巨大というイメージがあるが、VW-CLT1は78mm(W)×59mm(H)×97mm(D)とコンパクト。これは、レンズ内で光を反射させない、ウェッジプリズム偏光方式を採用したため。視差は、人間の目よりも狭く、マイルドな3D映像になるとのことだ。サイドバイサイド方式を採用しているため、BDやDVDへのダビングに特殊な機器は必要としない。

コンバージョンレンズ「VW-CLT1」

なお、HDC-TM750/650とVW-CLT1の組み合わせで3D撮影が可能なのはムービーだけで、3Dの静止画は撮影できない。同社では、デジタル一眼レフカメラ「LUMIX G」シリーズで、3D撮影を行うためのレンズを開発しており、年内には商品化の予定。発表会場にも試作品が参考出品されていた。

参考出品されていた、デジタル一眼レフカメラ「LUMIX G」シリーズ用の3D撮影レンズ

3D対応以外の部分でも、HDC-TM750/650は、同社史上最高画質を実現する高画質モデル。受光素子は、1/4.1インチ305万画素のCMOSセンサーを3枚使用する3CMOSタイプ。レンズは、業界No.1となるF1.5という明るさのライカ ディコマーレンズを採用する。光学ズームは、35mm換算で35.7mm~420mmの12倍(動画撮影時)。手ブレ補正は、ハイブリッド式を採用。ジャイロセンサーに、映像センサーを加えた4軸で検知を行い、光学式と電子式を組み合わせた補正を行うというもので、歩きながらの撮影や、ズーム時の撮影でも効果を発揮する。また、映像エンジンの「HDクリスタルエンジン」には、屋内撮影など、暗い場所でのノイズ低減に威力を発揮する「新低照度NR」も搭載される。最低照度は1.6ルクス(LowLightモード)。撮影可能なムービーは、60pのフルハイビジョンまで。

なお、VW-CLT1を使用して3D撮影を行った場合は、サイドバイサイド方式となるため、横方向は960ピクセルとなる。内蔵メモリーは、HDC-TM750が96GBで、HDC-TM650が64GB。SD/SDHCカードスロットも装備する。両機種のメモリー以外の違いは、HDC-TM750にのみ、0.27型(約12.3万画素)のビューファインダーを装備する点と、音声記録方式が、HDC-TM750が5.1chであるのに対して、HDC-TM650が2chとなる点。本体サイズは、HDC-TM750が66mm(W)×69mm(H)×138mm(D)で、HDC-TM650が62mm(W)×66mm(H)×126mm(D)。質量は、HDC-TM750が約440gでHDC-TM650が約388g(ともにバッテリ含む)。