リバーベッドテクノロジーは7月23日、同社が提供するWAN最適化アプライアンス「Riverbed Steelhead」の仮想化バージョン「Virtual Steelhead」をリリースした。ハードウェアアプライアンスではなく、リバーベッドの独自OS「RiOS」をVMwareで仮想化したバーチャルアプライアンスで、スペース上の制約などからハードウェア導入が難しかった環境においても、WAN最適化による高速パフォーマンスを得ることが可能になる。

Virtual SteelheadはVMware ESX 4.0/ESXi 4.0上で動作する64ビットのプラットフォーム。帯域幅や接続数によって11のモデルに分けられる。価格は250Lで40万円から。提供開始は8月予定となっている。

Virtual Steelheadのモデルスペック

Virtual Steelheadの操作画面

パフォーマンスに関しては、同社のハードウェアアプライアンスとほぼ同等の機能を提供できるという。

今後、企業の仮想化環境への移行はますます進むと見られているが、Virtual Steelheadは、すでに仮想化に大きな投資をした企業、あるいは今後すべてのサービスを仮想化に移行しようとしている企業、つまり「仮想化に対して強い意志を持っている企業に対し、WAN越しにスピードを提供する」(リバーベッド)製品として位置づけられる。とくにデータセンターの仮想化を進めたい企業にとっては、データセンター統合の時期や経済状況などにあわせた、オンデマンドな拡張が可能になる。また、リモートで簡単にエッジをメンテナンスできるため、ラックに触れずに拡張することも可能だ。

また、軍事、警察、医療など人命がかかわるような特殊な環境においては、特殊なハードウェア/モバイル端末での利用が想定されるが、仮想化アプライアンスであれば対応しやすくなり、WANが高速化されることで人命保護につながる可能性が高くなる。また、建築現場やニュースバンなどハードウェアアプライアンスの設置が難しいところでも、仮想化ツールであれば問題なく導入できる。

リバーベッドテクノロジーの岡本吉光社長は「クラウドコンピューティングの流れは今までのトレンドとはまったく違う流れ。そしてクラウドの急速な普及により、そのベースとなる仮想化ソリューションもさに注目されるとみている。このVirtual Steelheadに対しては、とくにサーバベンダが非常に興味を示してくれており、今後、さまざまな形の協業が考えられると思う」としている。

リバーベッドテクノロジー 代表取締役社長 岡本吉光氏