IBM、一筐体にメインフレームとブレードを統合・一元管理するサーバを発表

      [2010/07/26]

    日本アイ・ビー・エムは7月23日、メインフレームとブレードサーバを内部接続して資源の仮想化と一元管理が可能なサーバ「IBM zEnterprise」を発表した。同製品は周波数5.2GHzのメインフレームのプロセッサ、UNIXのプロセッサ、x86サーバのプロセッサを1台の筐体に搭載することができる。

    同製品は、メインフレーム「IBM zEnterprise 196」、ブレードサーバを搭載する「IBM zEnterprise BladeCenter Extension(以下、zBX)」、z196とzBXを接続した環境においてハードウェア資源の一元管理と仮想化を行うソフトウェア「IBM zEnterprise Unified Resource Manager」によって構成される。

    IBM zEnterprise。左から、IBM zEnterprise 196、IBM zEnterprise BladeCenter Extension

    日本アイ・ビー・エム システム製品事業担当 専務執行役員 薮下真平氏

    システム製品事業担当 専務執行役員の薮下真平氏は、同製品が開発された経緯について次のように語った。

    「現在、企業で利用されているアプリケーションは多様化しており、ワークロードも同様だ。当社で調べたところ、ワークロードは大きく"トランザクション/データベース処理"、"アナリティック"、"ビジネスアプリケーション"、"Web/コラボレーション"に分類できることがわかった。また、データセンターではIT環境が複雑化しており、サーバの運用管理に要するコストが増大し続けている。あらゆるワークロードの最適化、異機種混在環境の一元管理を、1台のマシンで効率よく行うためのマシンとして開発されたのがzEnterpriseだ」

    同製品にはグローバルで15億ドル以上の投資が行われており、5,000人以上のスタッフが3年間にわたって研究・開発を行っており、同氏は「全社を上げて開発に臨んだ製品であり、久しぶりの大型の新製品」と述べた。

    今回、高速なデータベース照会を実現するソフトウェア「IBM Smart Analytics Optimizer for DB2 for z/OS」のバージョン1.1も発表された。同製品は同社のデータベースであるDB2の処理の高速化を実現し、情報系で用いられる全文検索などの大容量のデータの処理に適している。

    日本アイ・ビー・エム システムz事業部長 朝海孝氏

    システムz事業部長の朝海孝氏は、「Smart Analytics Optimizer for DB2 for z/OSでは、SQLの種類によって、z196とzBXのどちらで処理するかを判断して自動的に処理を行う。他社のデータベースの照会を高速化する製品と比べ、Smart Analytics Optimizerは既存のアプリケーションの設定を一切変更する必要がない」と説明した。

    同氏によると、Smart Analytics Optimizer for DB2 for z/OSはzEnterpriseで利用可能なアクセラレーター製品の第1弾であり、第2弾としては、SOAにおいてXMLの処理速度を高速化するアプライアンス(WebSphere DataPower SOA)が考えられているという。

    IBM zEnterpriseに対応可能なアプライアンス「Smart Analytics Optimizer for DB2 for z/OS」

    同氏はまたzEnterpriseの全体の概要について説明。「zEnterpriseはインフラのクラウド化に向けたアーキテクチャ、いわば"クラウド・イン・ザ・ボックス"だ。1つのアーキテクチャでスケールアウトとスケールアップを実現する」

    現在対応可能なOSは、z/OS、AIX、Linuxとなっているが、Windowsの対応も検討されている。「技術的にはzEnterprise上でWindowsを稼働させることは可能だが、それとzEnterpriseのスキームにWindowsを入れた時にメリットがあるかどうかは話は別」と同氏。

    発表会では、さらに詳しい技術解説が行われた。z196は、System z10の後継機だが、z10では搭載可能なプロセッサチップが最大20個(コア数80個)だったところ、最大24個(96コア)まで搭載できる。CPUの動作周波数も4.4GHzから5.2GHz、搭載可能な最大メモリ容量も1.5TBから3TBに上がっている。

    キャッシュも、z10では3階層で48MBのサポートだったが、z196は4階層の192MBのキャッシュを搭載している。これにより、99.9%の処理がメモリに到達するまでにキャッシュで処理することが可能になるという。そのほか、メモリ構造も変更されており、RAID 5のような処理を行うことで、信頼性と可用性を向上している。

    一方、zBXの内部にはBlade Centerが2台入っており、合計112枚のブレードをさすことができる。現時点で対応可能なブレードはPower Bladeのみだが、x86ブレードの開発意向が表明されており、来年には同社の次世代アーキテクチャ「eX5」に準拠した「IBM BladeCenter HX5」の対応が予定されている。

    zEnterpriseでは、z196とzBXの筐体間の接続は10GBのファイバーチャネルで行われているほか、管理は10BASE-Tのネットワークを用いて行われる。z196の価格は1億円からとなっている。

    左から、z196のチップ構造、キャッシュトポロジー

    左から、z196のメモリ構造、zEnterpriseの内部構造

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