米Twitterは21日(現地時間)、今年後半中にオペレーション基盤を同社がユタ州のソルトレークシティ地域で運用するデータセンターへ移動させる計画を明らかにした。現在はNTT Americaのデータセンターを利用しているが、ユーザーの急増とアクティビティの急変に対応し、稼働率と冗長性を高めるために、自身で管理するデータセンターへの移行にふみ切る。

TwitterのJean-Paul Cozzatti氏によると、同社のサービスは現在1日に300,000人以上が新アカウントを開くペースで成長している。こうしたユーザーの急増に加えて、事件や自然災害などで変化するTwitterのアクティビティは予測しにくいという特徴があり、次第にTwitterのホーム画面に"Fail Whale"と呼ばれるオーバーキャパシティ時に表示されるクジラのイラストが登場する回数が増えていた。

サービスダウン時にあらわれる"Fail Whale"

Twitterのアクティビティ記録が更新されたサッカーのワールドカップ南アフリカ大会の期間中に、同社は内部ネットワークのキャパシティを倍増させ、トラフィックをリバランスするなど50以上のプラットフォームの最適化と改善に取り組んだ。それでも6月に10時間以上のサービス障害が起こり、また今月19日にもユーザーデータベースがハングし長時間にわたって登録やサインインができない状態に陥った。Twitterは対策としてモニタリングの増強や、スレーブデータベースからマスターデータベースへの切り替え短縮などを約束したが、同時に信頼性を向上させる根本的なソリューションが不可欠であるとCozzatti氏は指摘した。それが自ら運用するデータセンターである。

Cozzatti氏は専用データセンターの3つのメリットを挙げる。まずユーザーの拡大とアクティビティの変化に対応できるキャパシティ、そしてインフラの変更を必要とするケースにすばやく対応できる柔軟性だ。また全てのレイヤーを自身で管理・モニタリングすることできめ細かなサービス品質保証を提供できるとしている。

新しいTwitter専用データセンターは、複数のデータセンターを結ぶことで、今後同社が必要とする信頼性とキャパシティが得られるように設計されている。Twitterは現在のフットプリントでのNTT Americaとのパートナーシップを継続しながら、今後24カ月の間に自ら管理する専用データセンターを増強していくという。