Texas Instruments(TI)は、福島県会津若松市にあるSpansion Japan(SJL)が運営する300mmウェハおよび200mmウェハ対応工場ならびに製造装置を購入することを発表した。これは裁判所に認可されたSJLの更生計画の下における取得となるとTIでは説明している。

今回TIが取得するSJLの工場は2つ。1つはSJL名義で現在も稼働している200mmウェハ対応工場(SJLでの工場名は「JV3」)で、TIでは自社のアナログ半導体事業の売り上げを年間10億ドル以上拡大できる生産能力を備えていると評価している。

もう1つは200/300mmウェハ対応工場(SJLでの工場名は「SP1」)で、こちらは未稼働状態となっており、これらの工場について、TIでは、200mmウェハの製造工程については引き続き稼働を継続させ、さまざまな手続きを経て、TI名義の工場として2011年第2四半期からの稼働を目指す。また、この売買に伴う会津にいるほぼすべてのSJLの従業員に対する雇用を提示する計画としている。

SJLの会津若松工場の全景(白い長方形の建物の下半分がJV3で上半分がSP1という区分になっている)

さらに、今回の買収にて入手する300mmウェハ対応製造装置に関しては、米国テキサス州リチャードソン工場(RFAB)に移管、同工場の拡張計画第2フェーズにて投入される計画。第2フェーズが完了すると、同工場の売り上げとしては年間20億ドル相当の生産能力を備えることとなるとしているが、一部、同社のプロセスと整合しない装置については売却する方針としている。

なお、これらの取得に伴う期間、および金額の詳細は非公表と同社では説明している。