Googleが電子書籍市場に本格参入する。同社は8日、電子書籍販売プラットフォーム『Google エディション』を発表した。これを利用することで出版社は電子書籍市場への参入が容易になる。北米では今夏、日本では2011年の早い段階で開始する予定。

「Google エディション」に参入するメリットについて

Google エディションは、書籍検索サービス「Google ブックス」の登録書籍を電子書籍として販売するためのプラットフォーム。Google ブックスのパートナープログラムを利用する出版社などを対象に提供され、売上はGoogleとシェアされる。オープンプラットフォームとしても展開され、Google エディションで販売される電子書籍は他のオンライン書店でも扱えるなど、ECサイトにとってはコンテンツ拡充を図る手段としても利用することができる。

一般の利用者は、Google ブックス上では一部ページの試し読みしかできなかった書籍が、電子書籍として購入することで全ページを読めるようになる。閲覧にはWebブラウザを利用するため、PC、スマートフォンなどデバイスを選ばない。専用アプリケーションやオフラインでの閲覧機能も提供される予定。EPUB形式の電子書籍が用意されている場合はダウンロードして読むことも可能。決済方式には、同社の決済サービス「Google Checkout」を使うほか、オンライン書店が持つシステムへの対応も考えるとしている。なお、ユーザが無料で閲覧できる部分は一冊全体の20%に制限されるほか、印刷/コピー/保存も禁止される。

Googleによると、出版社がGoogle エディションへ参加することで、電子書籍市場への容易な参入や多様な販売チャネルの確保、書籍ごとの詳細なアクセスデータの取得といったメリットが享受できるという。販売価格は出版社が決定し、「希望小売価格の半分以上は出版社に、本のページ内の広告についても同様に配分していく」(佐藤陽一 Google ブックス担当マネージャー)。

北米ではGoogle ブックスのパートナープログラムに3万社が参加し、200万タイトルが提供されている。同社は今後、日本国内の出版社等にGoogle エディションへの参加を求める活動を進めていく。