ニコンは7月8日、米国航空宇宙局(NASA)からの依頼で、国際宇宙ステーション(ISS)内の撮影記録機材として使用されている同社のデジタル一眼レフカメラ「D3S」および交換レンズ「NIKKOR」が宇宙で捉えた画像の一部を自社のWebサイトにて公開した。

今回公開された画像は、ISSに常駐しているD3SやNIKKORレンズ、スピードライトなどのアクセサリ類によって撮影されたもの。これまでNASAによって宇宙に持ち込まれたニコン機材で撮影された写真は、70万枚以上におよび、その中から宇宙ならでは風景を捉えた画像など18枚が公開されている。

ニコンとNASAの歴史は古く、1971年のアポロ15号で使用された「ニコンF」の改造カメラ「Nikon Photomic FTN(ニコン FにTTL中央部重点測光が可能なフォトミックFTNファインダーを搭載したモデル)」から始まり、2008年にデジタルカメラ「D2XS」を納入、2009年にも、ISS内の記録撮影用として、"D3S"11台と交換レンズ"AF-S NIKKOR 14-24mm f2.8G ED"7本を受注しており、市販品と同じものが、2010年4月5日に打ち上げられたスペースシャトル「ディスカバリー」にてISSに運ばれた。

現在ISSに常駐する同社製品は以下のとおり。

  • デジタル一眼レフカメラ「D3S」1台:STS-131にてISSに配置。地球表面とナイトシーンの撮影が中心
  • デジタル一眼レフカメラ「D2XS」8台:EVA(船外活動)に対応した、NASA専用の改造品
  • 「NIKKOR」レンズ36本:テレコンバーター3本を含む
  • スピードライト「SB-800」7台
  • D2XS用アイピース4個:NASA特注アイピース船外活動の際に、宇宙服(ヘルメット)越しにファインダー像を確認できるようにするためのNASA特注アイピースファインダー
  • その他(フィルタ、ケーブルなど)

ニコン製品が捉えた主な画像(ニコンWebサイトより)