宇宙航空研究開発機構(JAXA)は7月2日、6月24日から行ってきた小惑星探査機「はやぶさ」が持ち帰ったサンプルコンテナの開封作業において、微粒子の存在を確認したことを発表した。

現在の作業段階は、はやぶさが持ち帰ったサンプルコンテナと、サンプルが入れられているはずのサンプルキャッチャを分離、2部屋に分かれたサンプルキャッチャのA室(2回目のイトカワ着陸時に用いられた側)の調査を始めた、というところ。

今回確認された微粒子は、サンプルコンテナ内に目視可能な大きさのものが複数個、とサンプルキャッチャの2個。サンプルキャッチャの微粒子は10μmクラスで、μmオーダーの石英製マニュピレータで表面を探りながら行っているため、全体を調査するのに相当時間がかかるとの見方を示している。

サンプルキャッチャ内の微粒子をマニュピレータで試験的にピックアップしている様子(提供:JAXA)

サンプルコンテナのフタを開封した所。黒い点や白い点などが目視で確認できる(真空チェンバのフランジ窓越しに撮影)(提供:JAXA)

目視できるものに関して、JAXA月・惑星探査プログラムグループはやぶさプロジェクトチーム プロジェクトマネージャの川口淳一郎氏は、「(キャッチャではなく、コンテナ内ということもあり)恐らく地球由来のものだと思われる」との見方を示している。

また、キャッチャ内のものに関しても、「現時点ではようやく中身の調査を始めたという段階のため、残りの場所を含めてどの程度の粒子が存在しているのか、などはまったく不明であり、それが打ち上げ時などに混ざった地球上の物質か、イトカワ由来のものかについては、今後、時間をかけて調べて行く必要がある」(同)としている。