経済産業省は29日、5月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(2005年=100)は95.9(季節調整済み)で、前月比でマイナス0.1%とわずかながら低下した。低下は3カ月ぶり。前年同月比では20.2%上昇している。出荷指数も低下。在庫、在庫率指数は上昇した。基調判断は「持ち直しの動きで推移している」のまま。

鉱工業生産指数は、景気判断で最も重要な指標のひとつで特に速報値は注目度が高い。5月の鉱工業生産指数をみると、低下に寄与した業種は、輸送機械工業、パルプ・紙・紙加工品工業、石油・石炭製品工業等だった。品目別では、普通乗用車、半導体製造装置、フラットパネル・ディスプレイ製造装置の順に低下に寄与している。

出荷指数は前月比マイナス1.7%の96.4(前年同月比は21.0%上昇)で3カ月ぶりの低下。低下に寄与した業種は、輸送機械工業、一般機械工業、石油・石炭製品工業等だった。

一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月比プラス2.0%の96.5で、2カ月連続の上昇。前年同月比では0.8%の低下。在庫の上昇に寄与した業種は輸送機械工業、化学工業、情報通信機械工業等だった。在庫とその出荷の比率をみることにより、製品の需要状況を示す在庫率は、前月比プラス4.4%の108.1で、こちらも2カ月ぶりの上昇(前年同月比は22.9%の低下)だった。

同時に発表した製造工業生産予測調査では、6月は前月比0.4%の上昇、7月は同1.0%の上昇を予測している。

※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値