やはり、G8/G20は不発で、アジア時間においては若干の円高傾向ながらも動意は少ない展開で、欧州時間序盤も同様。米個人消費が思ったほど増加しなかったことからいったんはドル売りのたんかいとなったものの、デフレリスク後退コメントからスイスが対ユーロでの堅調に推移し、ユーロの上値を抑える要因となった。

また、EUR/GBP(ユーロ/英ポンド)からの売りも入り、欧州通貨の間でも温度差がある展開となり、さらにユーロの上値を抑えた。株式市場においてはまちまちで、エネルギー関連が反落したことで、AUD(豪ドル)などの資源関連は上値が重たい展開となった。

・08:30 (日)5月有効求人倍率

・08:30 (日)5月完全失業率

・08:30 (日)5月家計調査

・08:50 (日)5月鉱工業生産速報

・18:00 (ユーロ圏)6月景況感・業況感指数

・20:45 (米)週間チェーンストア売上高

・21:55 (米)週間レッドブック大規模小売店売上高

・22:00 (米)4月S&Pケース・シラー住宅価格指数

・23:00 (米)6月消費者信頼感指数

週明けの市場は、やや模様眺めという地合いの中、ユーロと資源通貨が対ドルで上値の重たい展開となっている。G8/G20関連からは、様々なコメントが出てきているが、それぞれの立場を強調する内容で、実質的に何か合意・協調があったかどうかという点では、市場は冷静に『ほとんどなし』とまずは終了。不均衡是正・財政赤字縮小というポイントは今後も市場の話題とはなってくると思われ、そのたびに、それぞれの国・地域間格差による資本の動きが各市場において見られる展開となってこよう。

どの国・地域もそれぞれの問題を抱える中で、今週はやはり欧米の経済状態に注目が集まる。昨日の米個人消費支出の伸び鈍化に加え、貯蓄率が上昇している展開では、以前の米国の消費意欲に対する過剰な期待は持たないほうが良く、その上地方経済の停滞気味の状態では、昨晩の米当局者の楽観的な見方もはたして期待できるかどうか。

今週金曜日の米雇用統計に対しては、市場はすでに前月の大幅増加(とはいっても、民間雇用が思ったほど伸びなかった)の反動で、マイナス予想にすでに傾いていることから、今晩からのいくつかの米経済指標においてよほどの数値のかい離がない限り、大きな動きはないと見る。

こういった中、ユーロの戻りがかなり鈍い。EUR/CHF(ユーロ/スイスフラン)、EUR/GBP(ユーロ/英ポンド)の売り圧力が上値を抑えているが、本邦筋からの売り圧力も高まりつつあるようだ。先月から113円台以上では本邦実需筋が待ち構えている観測があったが、大手企業の多くは採算レートを120円以上で設定していたことから、下半期に入ってくる中で、どのようなヘッジスタンスを持つのかが市場関係者の間でも興味があろう。

また、ギリシャを発端とする欧州の混乱で機関投資家においても、外債投資に対してのヘッジスタンスも加わってくるであろうし、南欧諸国のCDSもかなりの水準で高止まりしており、欧州金融機関における資本増強に絡んでファンド筋などに対する警戒感もあるのではないだろうか? 様々な実需の面で、ドル円・クロス円の上値は重たい展開となりやすいか。

ただ、テクニカル的には、ユーロの対ドルではまだ調整の可能性は残るものの、対円では史上最安値―高値の調整ポイントを大幅に割り込んでおり、売られすぎの状態になっている。112.35-113.80水準以上を回復するまでは下値模索になりやすいが、当面のサポート108.00に注目しておきたい。