経済産業省は6月11日、国内で初めてとされる消費者向け電子商取引に関する統計調査「平成21年消費者向け電子商取引実態調査」の結果を公表した。

同調査は、物品やデジタルコンテンツの販売、サービスの提供を行う「消費者向け電子商取引」の産業構造を明らかにすることが目的とされており、売上高や販売の利用方法(決済方法や利用端末など)、電子商取引の参入時期、店舗の形態などについて調査が行われている。

調査結果によると、産業別の事業者数では小売業が全体の46.6%を占め、年間売上規模では3000万円未満の事業者全体の約8割となっている。また、従業者数は8万4361人で、1事業者あたりの電子商取引に関する従業者数は約3人となっている。

年間売上高規模別事業者数

従事者規模別事業者数

消費者向けの電子商取引における年間売上高は3兆1487億円で、そのうちの約4割を小売業が占め、次いで運輸・郵便業、情報通信業、金融・保険業という構成比となっている。

産業別年間売上高の構成比(%)

取扱品目は、物品の割合が48.1%、サービスが45.5%、デジタルコンテンツが6.4%となり、品目別では「旅行」が最も高い割合(28.4%)を占めた。

カテゴリ(物品、サービス、デジタルコンテンツ)別年間売上高の構成比(%)

消費者が物品やサービスの購入時に使用した端末は、パソコンが全体の約8割を占め、決済方法はクレジットカードの割合が44.3%と最も高くなっている。

消費者の購入時の端末形態別構成比(%)

なお同調査によって、平成16年(2004年)以降に消費者向け電子商取引に参入する事業者が急増しているといった市場背景なども判明した。

電子商取引への参入時期別事業者数(%)

今回の調査結果は2009年10月1日現在のものとなっており、調査対象となった事業者数は5万6199社。そのうち、2万7558社が集計対象となった。