長野電鉄は3日、JR東日本から253系特急電車を譲受したと発表した。2011年春から長野 - 湯田中間の特急列車として運行するという。これに伴って、老朽化した2000系特急電車は引退する予定。

長野電鉄がJR東日本から譲受した「253系」電車

253系は東京都心と成田空港を結ぶ「成田エクスプレス」の専用車両として製造された。日本からの海外旅行者や、来日した外国人旅行客に配慮して、ゆったりとした着席スペースや大型トランクを収納できる荷物置き場などを設置。国際的に遜色のないサービスを提供するため、従来の特急車両は異なるデザインとなったという。しかし、JR東日本は昨年秋から、新型成田エクスプレスとしてE259系を導入しており、253系は運用から外れている。このうち3両編成2本、計6両を長野電鉄が譲り受けたとのこと。

元小田急ロマンスカーの「1000系」

「2000系」は引退する予定

253系の導入について長野電鉄は「2000系2編成が製造からそれぞれ46年と53年が経過しており、数年前から代替車両を検討していた。様々な候補が挙がった中で、当社路線の規格に合う車両として253系を選定した」という。同社は今後、253系をワンマン運転仕様にするなど改造工事を実施する予定。車両形式名や運行ダイヤ、253系の特徴だった車内の運行路線案内表示などをどうするかなど詳細は未定という。

2011年春から、同社の特急電車は成田エクスプレス「253系」と元小田急ロマンスカー「1000系」の2種類になる予定。「1000系」は赤と白の塗装。2000系1編成も赤とクリームの塗装となっている。普通列車用に東急電鉄から譲受した8500系も前面に赤い帯がある。しかし「始めから赤い電車の購入を検討したわけではない」(同社)とのことだ。