富士キメラ総研は5月28日、「データセンタビジネス市場調査総覧 2010年版」を発表。同調査によると、2014年におけるデータセンタービジネスの市場規模は1兆5550億円となり、2009年度比で34%の増加が見込まれると予測されている。

同調査はホスティングやインターネット接続回線の提供や保守・運用サービスを含めたデータセンター関連のサービス市場(データセンタービジネス市場)に関する調査結果を報告書としてまとめたもの。

2009年における同市場の規模は1兆1605億円となり、そのうちの37%を「サーバや通信機器などをユーザーが持ち込むハウジングサービス」が占め、「サーバや通信機器などまで提供するホスティングサービス」が28%となっている。

同社は、2014年における同市場の規模が2009年比で34%の増加となる1兆5550億円に達すると予測しており、その背景には「TCO削減やクラウドコンピューティングビジネスの拡大、サーバ統合の進展、グリーンITの推進やユーザーセンタの老朽化」などがあるとしている。その一方で同社は、「不況による案件の凍結/先送りやサービス価格の値下げ要求、都内や首都圏におけるサービスの供給過多による値崩れ、パブリッククラウド利用の増加によるサービス利用の減少」が同市場の拡大を阻害する要因になると指摘している(同調査では、2014年における地域別市場構成比について「関東 75.4%(2009年比39%増)」「関西 14.3%(同23%増)」と予測している)。

また同社は、「注目サービス市場」としてホスティングサービスとハウジングサービスを挙げている。ホスティングサービスでは「仮想化技術を用いたサーバにおいて使用権限を貸与する『仮想』サービスが伸びている」とされ、その背景として、コスト削減を目的としたユーザーサイドでの「所有」から「利用」への流れがあるとしている。ハウジングサービスについて同社は「不動産ビジネスであり施設や設備、立地などが重要」と指摘。「立地等の条件の悪いベンダーは苦戦が強いられる」と予想している。

同調査は対象期間が2010年1月~3月となっており、同社調査員による直接面接取材のほか、電話によるヒアリングや社内データベースをもとに分析が行われている。