FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。ロンドン&NYタイムでは、株式&為替市場でリスクテイクの波が更に強まった。中国人民銀行が、欧州は引き続き主要な投資対象と述べたことが市場で材料視され、欧州株式はFTSE100指数、ドイツ30種共に3%以上の上昇率となれば、米ウォール街株価指数も280ドルを超える反転となった。

株式の上昇により、当然のごとく為替市場でもリスク通貨へのショートカバーが強まり、ユーロや豪ドルが買われ、円安の展開へ。ボックス相場のドルも、91円のラインを突破する場面も見られた。

本日の主要指標

・08:01英・5月 GFK消費者信頼感調査

・08:30 日・4月失業率

・08:30 日・4月全国消費者物価指数

・15:00 独・4月輸入物価指数

・15:15 スイス・4月貿易収支

・18:30 スイス・5月KOF先行指数

・21:30 加・1Q経常収支

・21:30 米・4月個人所得

・21:30 米・4月個人支出

・21:30 米・4月PCEデフレータ

・21:30 米・4月PCEコア・デフレータ

・22:45 米・5月シカゴ購買部協会景気指数

・22:55 米・月ミシガン大学消費者信頼感指数(確報値)

要人発言

・21:30ウェーバー独連銀総裁の発言

・22:30ビーニ・スマギECB理事の発言

昨日は、中国当局が市場で広がりつつあったユーロ圏の国債への見直しを否定したことにより、リスクテイクの波が世界中に広まったが、本日もその波が続くかどうか注目される。

本日序盤の東京株式市場は、欧米株式の上昇をうけ、寄り付きから堅調な値動きが期待される。もちろん欧州債務問題が終息したわけではないため、昨年11月下旬の安値9,100円レベルでボトムを探る展開になる可能性は十分残っているが、為替市場がクロス円を中心に円安へ振れ、ドル円も91円台をタッチする展開となったことは大きい。これにより、主力輸出関連株の動向次第で、再び心理的ラインである1万円の大台が視野に入る可能性も出てきた。

また、最近の日本のマクロ経済指標では、中国をはじめとした新興国市場にどこまで食い込んでいるかが、企業業績に多大な影響を与えていることが鮮明になっているため、中国関連株の動向、特に、中国の金融引き締め観測後退やオーストラリア政府が表明した鉱山開発企業への課税強化が緩和される方向にあることから、資源関連の動向も気になる。

一方、為替市場はユーロや豪ドルといったリスク通貨がどこまで買い戻されるかが注目したいところ。

ポイントは上記の中国当局の発言の賞味期限だろう。

欧州債務問題の動向を見てもわかるとおり、為替市場は気まぐれでモグラたたきのようにリスクが表れては消える状況となっている。本日のアジアンタイムでは、欧米市場の大幅な反転を背景に、モグラは土の中に隠れている可能性の方が高いと考えられる。

仮にそのような展開が欧州タイム参入前まで続いた場合、1.24のライン手前でダブルトップを形成しつつあるユーロドルだが、下落することなく上記ラインを突破できるかが注目ポイント。対円では、5月上旬を起点としたレジスタンスラインを意識した展開となっており、完全にブレイクすれば、本日はリスクテイクの波が継続する可能性があることを示唆するシグナルとして考えることもできる。

しかし、週末要因ということも考えれば、市場では債務問題や金融規制策で新たな展開が発生するリスクもあるため、過度の上値追いはやはり注意したいところ。

ユーロドル 1時間足

ウォール街株価指数 日足