米Googleは5月27日(現地時間)、モバイル広告大手の米AdMobの買収完了を発表した。

急成長するモバイル広告市場において、Googleは検索広告に力を注いでおり、一方AdMobはモバイルWebおよびモバイルアプリ向けのディスプレイ広告技術を強みとしている。買収完了により「2社の製品とチームを最善の形で組み合わせるプロセスを開始し、新たな製品と機能を構築する」とGoogleのプロダクトマネージメント担当バイスプレジデントのSusan Wojcicki氏。Googleがオンライン広告市場で広告主やコンテンツプロバイダに提供している幅広い選択肢が、モバイル広告市場にも拡大することになる。

検索広告のGoogleとディスプレイ広告のAdMobは、モバイル広告市場において補完関係にある

GoogleによるAdMob買収は実現が危ぶまれた時期もあった。独占禁止法の観点から米連邦取引委員会(FTC)がオンライン広告とモバイル広告の有力企業の結びつきに難色を示していた。ところが、思いがけないところから助け船が現れた。AdMobと競合する米Quattro Wirelessを買収した米Appleがモバイル広告サービス「iAd」の立ち上げを4月に発表。iPhone OSプラットフォームを提供するAppleのモバイル広告市場参入で、Google/AdMobが競争の阻害になるという懸念が薄れ、FTCは5月21日(同)にAdMob買収を承認する意向を明かした。それから1週間での買収完了となった。