Freescale Semiconductorは、電気メータおよび流量計向けマイクロコントローラ「MCF51EM256」「MC9S08LH64」「MC9S08GW64」と、包括的なスマートメータ・リファレンス・デザインを発表した。MCF51EM256はすでに量産出荷を開始しており、1万個購入時の単価(参考価格)は3.97ドル。MC9S08LH64も同じく量産出荷中で、1万個購入時の単価(同)は2.79ドルとなっており、MC9S08GW64については、2010年後半に出荷される予定となっている。

MCF51EM256は、積和演算ユニットを備えた32ビットColdFire V1コアを搭載、米国向け110VおよびEMEA/アジア向け234Vに対応した多相式電気メータ・ソフトウェア/ハードウェア・リファレンス・デザインが用意されており、国際電気標準会議(IEC)など一般的な標準規格を事前認証済みとなっている。また、4つのオンチップ16ビットSAR A/Dコンバータ・モジュールおよび位相誤差補償用のプログラマブルな遅延ブロック(PDB)により、三相式エネルギー計測を実現することが可能だ。さらに、カレンダ機能および改ざん検知機能を備えた独立リアルタイム・クロックを搭載しているほか、低消費電力モードでの動作を実現し、最大288セグメント表示をサポートするLCDコントローラも搭載している。

MCF51EMのブロック図

MC9S08LH64は、8ビットS08コアを搭載したマイコンで、低消費電力のオンチップLCDドライバを備えた低コスト単相式電力メータ・ソリューションを実現する。低消費電力の内部発振器により、低消費電力モードにおける正確な時間計測を実現しているほか、オンチップ16ビットSAR A/Dコンバータによるエネルギー計測やエネルギー・モニタリングが可能だ。

MC9S08GW64は、8ビットS08コアを搭載したマイコンで、オンチップのパルス・カウンタ回路により、流量計アプリケーションにおける、マイコンがストップ・モード時の流量センサ・デコーディングおよび流量管理を実現している。また、2つの独立した16ビットSAR A/Dコンバータおよび位相誤差補正用のプログラマブルな遅延ブロック(PDB)を備えたアナログ・フロント・エンド(AFE)を搭載しており、単相式電気メータなどの開発に対応した複数のハードウェア/ソフトウェア・リファレンス・デザインおよびガス/水道メータ・リファレンス・デザインが用意されている。

なお、同社ではスマート・グリッドのさまざまな構成要素に向けたメータリング・ソリューション・シリーズを2010年後半にリリースする予定としている。