Spansion、Chapter 11からの脱却に関する記者説明会を開催

Photo01:説明を行った本国SpansionのCEOであるJohn H. Kispert氏

米Spansionは5月10日、Chapter 11の保護から脱却、再びニューヨーク証券取引所への上場を行ったが、この一連の動きと「日本スパンション株式会社」の設立に関し、24日都内で記者説明会を開催した(Photo01)。

まず最初に、最新のニュースとして日本スパンションを設立、旧スパンションジャパン(Spansion Japan)から販売関連部門などを取得したこと、本国SpainsionはChapter 11の保護から脱却し、健全な状態になったこと、これと関連して本国は4四半期連続で純利益を計上したことを発表した(Photo02)。

Photo02:スパンションジャパンと日本スパンションは別会社である。これについては後述

そもそも一連の経緯は、2009年2月10日にスパンション・ジャパンが資金ショートにより会社更生法適用を申請して倒産したところまで遡る。本国のSpansionも翌月にChapter 11入りし、連鎖倒産した形である(Photo03)。この後同社は再建に向け、新たなストラテジーの構築や生産状況の改善などを実施。1年かけて再建を行ったこととなる。

Photo03:スライドの「2010年3月1日」は「2009年3月1日」の間違い

再建にあたり、同社はこれまでの戦略を見直し、まず従来のコモディティ事業モデルからフォーカスを絞ったモデルに転換(Photo04)。特にEmbedded向けに、「成長著しいマーケットに焦点を絞った」(Kispert氏)、とする(Photo05)。ただこのPhoto04のマーケットはすでに同社が有る程度のシェアを握っているマーケットであり、なので絞込みとシェア獲得にはそれなりの自信があるようだ。

Photo04:特定用途向けに特化した形の製品を提供してゆくという事業モデルに切り替えたとのこと

Photo05:これ以外に、LED照明/Home Network/スマートグリッドが現在急成長している分野で、これもカバーしてゆくとのこと

Kispert氏によれば、再建の際に10億ドル以上(20億ドル程度)までの売上高に対応できるビジネスモデルとして、粗利益3割、R&D10%、販売管理費10%といった目標をたてており、現状では完全に達成はできていないものの、かなり改善した状況にあることが示された。財務状況については、直近5四半期分が示された(Photo08)。まず売り上げの減少については、Spansionの倒産のニュースを受けて同社の顧客が必要な部品を買い貯めたのが2009年第1四半期で、この結果として顧客のところには十分な在庫があるために以後、売り上げが減少することになったとか。ただしそろそろ売り上げ低下は底を打っており、今後は向上することが見込まれるとした。また販促費について、特に直近では17%と非常に高いが、これはChapter 11からの脱却に関係した弁護士費用が押し上げる要因になったとの事で、今後はぐんと下がる、という見通しであった。

Photo06:同社の製品のシェア。Chapter 11入りや景気後退の余波を受け、2009年は大幅に売り上げを落としているのは仕方が無いところか

Photo07:販売管理費については次スライドでもう少し説明が。それにしても営業利益33%減とか販売管理費が26%では、それは倒産しても仕方が無いという数値である

Photo08:今後はR&D投資も増やし、通年では10%にもってゆく予定との事

Photo09:鈴木氏は元々富士通から、富士通とAMDの合弁会社であるFASL JAPANの代表取締役社長に就任、その後2004年にスパンション・ジャパンの代表取締役社長に就任したが、2006年6月に退任していた

次に日本スパンションである。再建にあたり、スパンション・ジャパンが持っていた会津若松の200mmウェハ対応工場「JV3」は、日本スパンションは引き継がなかった。これは引き続きスパンション・ジャパンが保持し、今後はファウンドリビジネスに特化する形となる。ただし18カ月間はSpansionに対して独占的に製品供給を行うという契約があるという。

その一方、スパンション・ジャパンが持っていた販売関連部門をSpansionが買収、サポート部隊の120名ほどが日本スパンションに移動した。またこの日本スパンションは、元々本国SpansionのExective Vice Presidentやスパンション・ジャパンの代表取締役社長を務めた後に一度引退した鈴木伸二氏(Photo09)が再び代表取締役社長に就任し、日本スパンションを率いることが発表された(Photo10)。日本スパンションは営業とカスタマサービス・エンジニアリングサポートとマーケティングといった、製造以外のサービスを担うことになっており(Photo11)、特に日本のメーカーに向けて重点的に販売とサポートを行うとしている(Photo12)。

Photo10:日本はSpansionにとって重要なマーケットであるとしており、鈴木氏はSpansionの復活のキープレイヤーとなる形だ

Photo11:スパンション・ジャパンから移籍してきた社員の半分以上が、サポートのためのエンジニアだそうである

Photo12:「Spansionが子会社をつくるのは唯一日本だけであり、それはとりもなおさずいかにSpansionが日本を重視しているかの表れである」との事だった

また日本においては富士通エレクトロニクスを始めとする特約店がSpansionの販売代理業務を引き続き行うことが明らかにされており、富士通エレクトロニクスの田中俊彦社長が登壇して、同社の方向性などの説明を行った(Photo13)。

Photo13:富士通エレクトロニクスとしては、Spansionの製品を組み込む形でのソリューションビジネスなどにも力を入れてゆくとの事だった

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