高井英幸 CODA代表理事

コンテンツ海外流通促進機構(CODA)は17日、海外で違法流通するアニメや音楽など日本製コンテンツの海賊版対策に関する報告を行なった。香港、中国、台湾で約44万枚の海賊版DVD/CDを押収した一方、侵害行為の場がインターネットへ移行していると説明する。

CODAは、海外における日本製コンテンツの海賊版対策を目的とした団体。中国、香港、台湾の現地取締機関と協力して対策を実施している。2009年度は440名を逮捕、映画、アニメ、音楽、ゲームなどのDVD/CD約44万枚を押収した。押収枚数は前年比54%と減少したが、CODAでは侵害実態がファイル共有ソフトや動画共有サイトなどオンライン化していると指摘。その対策として、ネット上の違法動画を検出するフィンガープリント技術を投入し、99%の検出精度を検証できたという。しかし、その後の対策については「CODA名義で削除依頼したが、結果は満足のできるものではなかった」。2010年度も対策をより強化していく。

高井英幸代表理事は、中国政府が日本のアニメーション作品を知財保護活動における取締重点作品に指定したことも報告。『ワンピース』『名探偵コナン』『機動戦士ガンダム』など中国でも人気のアニメ12作品が対象となる。高井氏は、2005年から中国政府と進めてきた知財保護の取り組みの成果と評価する。「今後の中国市場の正常化に向け、ようやく第一歩を踏み出した」。

CODAは2010年度も引き続き技術的な海賊版対策、企業間連携や海外の関係取締機関との協力を進めるほか、消費者に対して著作権保護の重要性や真正品の見分け方などに関する啓発活動を実施していく。

中国での"無許諾出版物"の事情について説明する後藤健郎 専務理事。正規の許諾番号をつけた海賊版が流通しており、「(現地では)消費者は正規品だと思って購入しているケースが多々だと思われる」