日本ヒューレット・パッカードは4月27日、インテル Itaniumプロセッサー搭載のミッションクリティカル・システム向けサーバ群「HP Integrityサーバー」の新モデル(第2世代 HP Integrity サーバー)を発表した。
今回発表されたのは、「HP Integrity Superdome 2」、「HP Integrity BL890c i2」、「HP Integrity BL870c i2」、「HP Integrity BL860 i2」、「HP Integrity rx2800 i2」の5製品。いずれも今年2月に発表されたItanium 9300番台を搭載し、パフォーマンスを向上させている。
Superdome 2 - 信頼性450%向上、
複数ブレードによる論理マシン作成、CPUコア利用権搭載
上記5製品のうち、Superdome 2はハイエンドに位置付けられる、1ラックサイズのミッションクリティカルシステム向けブレードサーバ。最大64CPU 256コアという高い拡張性を備えている。
Superdome 2では、キャッシュエラーが頻発するコアを検知すると、該当コアを切り離す「Dyanamic Processor Resilience」機能や、(3次キャッシュのみならず)2次キャッシュでのエラーに対してもキャッシュラインのみを無効化できる機能、DIMM上のDRAMが2つフェイルしても処理を継続できる機能などを搭載。さらに、CPU、電源装置、I/O装置などをつなぐ共有部分に制御回路を一切使わず、故障発生率を低減させるなどの工夫を行った結果、従来製品に比べ450%の信頼性向上を実現している。
また、「クロスバーファブリック」と呼ばれる新技術により複数のセルブレードを結合するかたちでCPUリソースを活用できるほか、グラフィカルな管理画面での操作だけで配線を変えることなくシステム構成を変えられるなどの特徴も備える。
加えて、物理CPUがいくつ搭載されていようと、購入した「CPUコア利用権」に応じた数のCPUのみを稼働させる「HP iCAP」機構を採用。将来を見越して多めにCPUを積んでおいてもスモールスタートできる仕組みになっている。
なお、CPUコア利用権は、複数筺体間での共用が可能(グローバルiCAPと呼ばれる)になった。したがって、一部の事業部向けシステムでリソースが足りなくなった際に、余力のある他事業部のシステムからCPUコア利用権を借り受けたり、障害などによりメインのデータセンターが稼働できなくなったときに、そこで使用していたCPUコア利用権を使ってバックアップサイトを稼働させたりといった運用が可能。さらに、「TiCAP」と呼ばれる、30分単位で販売されるCPUの一時利用権も提供される。
そのほか、Superdome 2では、従来製品に比べパフォーマンスを最大9倍向上させるなどの機能強化も行われている。
BL890c i2、BL870c i2、BL860 i2 、rx2800 i2
- Itanium 9300番台搭載ブレードサーバ、ラックマウント型サーバ
HP Integrity BL890c i2、同 BL870c i2、同 BL860c i2は、HP BladeSystemのエンクロージャー「c7000」「c3000」に対応したブレード型サーバ。BL890c i2では最大8CPU 32コア、BL870c i2では最大4CPU 16コア、BL860c i2では最大2CPU 8コアを搭載することができる。
Itanium 9300番台の採用と、HP-UX独自の設計により従来比9倍のパフォーマンスを実現。また、今後発表されるアップグレード・キットにより、BL 860c i2からBL870c i2に、BL870c i2からBL890c i2にスケールアップすることも可能になっている。
一方、rx2800 i2は、2Uのラックマウント型サーバ。Itanium 9300番台を最大2基 8コア搭載することができる。
各製品の価格、出荷開始時期は以下の通り。
製品名 | 参考価格 | 出荷開始日 |
---|---|---|
HP Integrity Superdome2 | 2841万3000円 | 9月上旬 |
HP Integrity BL890c i2 | 1633万3800円 | 5月上旬 |
HP Integrity BL870c i2 | 748万4400円 | 5月上旬 |
HP Integrity BL860c i2 | 168万9450円 | 5月上旬 |
HP Integrity rx2800 i2 | 152万4600円 | 9月下旬 |