NY金先物(6月限)

FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。先週末は、ギリシャ政府が欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に緊急融資を要請したことが、市場で好感され金相場は上昇した。

しかし週が明けると一転して、ギリシャ支援の融資の最大拠出国であるドイツのメルケル首相が条件付きの支援であることを強調したことが嫌気され、再び先行き不透明感が強くなっている。こうした状況の中、欧州債券市場では再びギリシャ国債が下落しており、10年国債利回りが9.5%に上昇している。また、これにつられるかたちで、ポルトガル、スペインの国債金利も跳ね上がっており、財政問題がギリシャ以外に波及するリスクも警戒されている。更に5月のギリシャ国債償還も含めて、債務不履行リスク回避の確証が得られるまでは、ユーロを含めて、欧州売りが続くと市場では見られている。

このようにソブリン・リスクが依然として燻る中、「SPDR GOLD SHARES」のETF投資残高を見ると、23日は1140.12トンだったが、26日には1146.21トンへと大幅に増加しており、現状、リスク回避の投資先として投資家の買い増しが優勢になっていることが確認出来る。今は強弱材料が交差しているので、結果的にレンジ相場が続いているが、株式相場も総じて堅調地合を維持しており、リスクテイクによるドル安と投資需要拡大の二つを原動力に、上方ブレイクの可能性が高まると思われる。

ただテクニカル面では、一目均衡表がいまだ三役好転中なので、流れは買い有利となっていることは事実だが、やはり1170ドルを引けで抜けてこなければ、本格上昇とはならないか。

NY金先物(6月限)

ドイツ30種株価指数

ドイツ経済の力強い回復がギリシャ問題を吸収し、ドイツ30種株価指数での底堅い値動きを演出、昨日は年初来高値を更新した。

背景には労働市場の柔軟化により労働効率を高め市場を活性化するだけでなく、ソブリン・リスク問題により下落したユーロの恩恵が、輸出産業の業績にポジティブな影響を与えたことが挙げられる。輸出はドイツ経済の鍵を握るため、この輸出の回復により第2四半期に勢いを増すと、ウェーバー独連銀総裁も自信をのぞかせている。

事実そのことを示唆するかのうように、本日15:00に発表された5月のGFK消費者信頼感調査でも3.8と前回の3.2から上昇していることが判明。企業業績改善→雇用情勢の改善→消費拡大といった景気回復の王道を歩んでおり、ファンダメンタルズでは上値追いの状況と言えよう。

テクニカルでその上値ポイントを探ると、目先の上値ターゲットは昨日高値6342ポイントレベルだろう。昨日はタッチしての反落となっているが、再度トライし上抜けることができるかどうか。リスクテイクが強まれば6350&6400ポイントラインがネクストターゲットとして浮上しよう。

ただ、ソブリン・リスク問題も無視できないのもまた事実。ユーロ債券市場ではPIIGS諸国を中心に利回りが上昇しており、調達コストの面で市場の不安感を煽っている。このようなリスク回避から下落した場合は、6300ポイント割れが目先の焦点となりそうだ。このラインは昨日の下落時にサポートとして機能した経緯があり、反転するか注目したい。 仮にこのラインをブレイクした場合は、フィボナッチを用いて下値ポイントを探っていきたいところ。チャート上では6250ポイントと重なる38.20%レベルが意識されるか注目したい。

尚、RSIではほぼニュートラル。目先上下のポイント6300ポイント、6350ポイントどちらも試す展開となってもおかしくはない。

ドイツ30種株価指数 1時間足

ドイツ30種株価指数 RSI 1時間足