Apple iPadの登場とともに注目を集めつつある「タブレット」という製品カテゴリだが、今年夏に向けてライバル各社の製品提供計画やロードマップが明らかになりつつある。まず台湾ASUSTeK Computerが「Eee Pad」を6月初旬に発表するほか、米Dellは「Looking Glass」(開発コード名)と呼ばれる製品を今年第3四半期に市場へと投入するとみられる。

Eee Padについては台湾Digi Timesが23日(現地時間)に報じている。ASUSTeK Computer会長のJerry Shenが台湾開催のカンファレンスで発表したもので、Eee Padを6月初旬に台北市で開催されるComputex Taipei 2010でお披露目するという。小売りチャネルへの提供開始は2010年第3四半期を見込んでいるが、Digi Timesによれば複数のコンポーネントメーカーらの話として7月末ごろになる予定のようだ。

Eee Padの特徴はGoogleとの提携でAndroidをプラットフォームに採用した点で、iPadにはない特徴としてUSBやWebカメラ内蔵の他、Adobe Flashのサポートが挙げられるという。ターゲット価格は15,000~16,000台湾ドル(約479~510米ドル)で(通信キャリアとのバンドル込み)、プロセッサはNVIDIA Tegraベース、2010年の出荷目標は300,000台という。またEee Padの出荷によりNetbook全体の10~20%程度が影響を受ける見通しだ。

またDigi Timesによれば、Micro-Star International(MSI)も同様のタブレット製品「M Pad」の出荷を見込んでおり、こちらもやはり2010年第3四半期の市場投入になるという。一方でMSIは出荷目標について慎重姿勢であり、Eee Padの動向を見て戦略を検討していくようだ。

Dellのタブレット製品については、Android Centralが25日(現地時間)に報じている。こちらは主にパートナー向け資料のリーク情報を基にしており、来年初頭までのMID/ネットブック製品計画が記されている。

それによれば、同社はこの種の製品カテゴリを「Small」「Medium」「Large」「XL」で表しており、Smallがいわゆる小型デバイスでMIDと呼ばれるもの、Mediumが5インチサイズのタブレット、Largeが7インチサイズのタブレット、XLがARMプロセッサ搭載のキーボード付きデバイスの「スマートブック」となる。ARMとAndroidを組み合わせたのがこのカテゴリ群の特徴であり、詳細はAndroid Centralのサイトで確認してほしい。

このロードマップによれば、すでに発表済みのStreak(Dell Mini 5)に加え、7インチタブレットの「Looking Glass」、MID(スマートフォン)の「Thunder」、Netbookタブレットと呼ばれる「Sparta」、0.9キログラムで"真"のタブレット製品と銘打たれた「Athens」の4つが2010年内登場の製品としてコードネームが確認できる。

どれもNVIDIA Tegraを搭載した製品とみられるが、ここでの注目はLooking GlassとAthensだ。Looking Glassは800×600表示対応の7インチSVGAスクリーンに、ネットワーク機能としてWi-Fiのみを装備し、オプションでTVチューナーが付属するという。スペックとしてはiPadに一番近く、どのようなユーザー層や用途を想定しているのかが気になる。

一方のAthensは1,024×768表示対応の11インチXGAスクリーンに、ネットワーク機能としてWi-Fiだけでなく3GやBluetoothをサポートするなど、より可搬性を重視したネットブックとなっている。一段落しつつあるNetbook市場に対し、手軽さとモバイル利用という原点に立ち返った製品となる。