FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。欧州株式はリスク回避が強まる中、アイスランドの火山噴火の影響も重なり、航空会社や旅行関連株の下落が上値を抑えた。しかし一方では、企業決算内容が良好な内容だったことが下支え要因となり、下落幅は限定的だった。

米株式もゴールドマン・サックスの訴追問題により上値の重い状況となったが、同じ米金融機関のシティグループ(CN)の好決算や独大手自動車メーカーダイムラー(DAIGn.DE)が、主力のメルセデス・ベンツ部門で2010年の利益が当初予想されていた額よりも約2倍程度上回る見通しを発表したことが投資家の不安心理を和らげ、小幅ながら上昇して終了。

そしてこの株式動向を受け、為替市場でも欧州通貨や高金利通貨を中心に買い戻し基調が強まった。しかし、ソブリン・リスク懸念は依然として根強いことから、ユーロドルは1.34ミドル、ユーロ円は125円手前で上値の重い展開となった。

ドル円は相変わらずボックス相場が継続。

本日の主要経済指標

・07:45 NZ・1Q消費者物価

・08:50 日・2月産業活動指数

・15:00 日・3月工作機械受注

・15:00 独・3月生産者物価指数

・16:30 スウェーデン中銀政策金利

・17:00 ユーロ・2月経常収支

・17:30 英・3月消費者物価指数

・17:30 英・3月小売物価指数

・18:00 独・4月ZEW景況感調査

・22:00 加・BOC(カナダ中央銀行)政策金利

要人発言

・22:00バローゾ欧州委員長の議会証言

・24:00バーナンキFRB議長の議会証言

・24:00ガイトナー財務長官の議会証言

・25:00ウェーバー・ドイツ連銀総裁の発言

ゴールドマン・サックスの問題に過剰反応気味だった市場も、シティグループの好決算により落ち着きを取り戻した。更に米株式終了後に発表された、IBMの第1四半期決算も売上高が229億ドル(市場予想227億ドル)、利益が26億ドル(前年同期23億ドル)、1株利益1.97ドル(同1.70)と強い内容だったことから、米景気の底堅さをあらためて市場に認識させる結果となった。

本日の東京市場は、米企業決算の内容を好感したリスクテイクの度合いを探る展開となろう。 株式市場は、心理的ラインである11000円と1月の高値水準10900円レベルを下抜けたことから調整色が強まっている。

更に、アイスランドの火山噴火の影響は沈静化の兆しを見せていないことから、航空関連株はもちろんだが、燃料需要の縮小観測から資源系、更には旅行関連株といった銘柄が上値を抑える可能性がある。

ただ、物色意欲は依然として強いため、スマート・グリッドや次世代エネルギー関連といったテーマ性を中心に買い優勢の展開となるか。また、円相場で円高基調に一服感が漂っていることから、主力輸出関連でも買い戻しが入ることも期待される。特に中国の経済成長が継続する中、中国関連銘柄でも底堅い展開となるか注目だろう。

その為替市場だが、引き続き株式を見ながらの状況が続きそうだ。ゴールドマンの訴追問題が徐々に鎮静化したことを背景に、アジア株式が底堅い展開を見せれば、投資家のマネーが徐々にリスク資産へ流れることが考えられる。特に、ファンダメンタルズでは好調さを維持している豪ドルやNZDへの投資が活発化するかがポイントになりそうだ。

後者のNZは07:45 に1Qの消費者物価が発表予定となっている。強い内容となれば、追加利上げの期待感が根強い豪ドルと連動し、上昇する可能性がある。仮にそのような展開となった場合、オセアニア通貨を中心に円安を誘導することも考えられる。

逆の場合は、豪ドルとの絡みで一過性の売りで終わるか、NZD単独で下落するか見極めることが重要となろう。

ドル円は95円のライン手前で反落した影響は大きく、目先、今年高安のフィボナッチ50.00%レベル91円ミドルレベルが下値ポイントとして意識されるか注目したいところ。

日本225種株価指数 日足

NZDUSD 日足