アドビ、「Adobe Creative Suite 5」日本語版発表

    西村希美  [2010/04/12]

    アドビ システムズは12日、デザイン、Web、ビデオなど、あらゆるコンテンツ制作を包括した製品コレクション「Adobe Creative Suite 5」日本語版を発表した。発売は2010年5月下旬を予定している。スイート製品としては5製品、単体ソフトウェアとしては14製品がラインアップ。前回の「Adobe Creatibe Suite 4」より、まったく新しいアプリケーションが3製品加わっている。ここで、「Adobe Creative Suite 5」の特徴を紹介していこう。

    「Adobe Creative Suite 5」が実現するワークフロー

    前バージョンである「Adobe Creative Suite 4」でもスローガンになっていた「ワークフローの効率化」。「Adobe Creative Suite 5」では、さらにその効率化を進めるポイントがハッキリと見えてきた。それは、「ワークフローのボーダーレス化」だ。これは、多様な情報配信への対応を迫られているクリエイターへの解決策とも言える。よりリッチなコンテンツによる情報配信が期待される現在では、「デザイン」という枠組みが媒体の垣根を越え始めている。しかしながら、"紙のデザイナーがWebやビデオのプロジェクトチームに参入する"、あるいは、"Webデザイナーがビデオコンテンツを取り入れたサイト構築を任される"といった場合、現在の作業環境では新しいアプリケーションや技術を習得しなければならない。新メディアに魅力を感じても、「新技術を学ぶ時間がない」、「媒体が違うと何をどうして良いか分からない」とスタートラインに立つことすら難しいのが現実だろう。そこで同社では、こうした制作現場の悩みをアプリケーションの新機能によって解決しようと「Adobe Creative Suite 5」を登場させた。「Adobe Creative Suite 4」でもその傾向は見られていたが、「Adobe Creative Suite 5」では、その完成形に近い仕上がりを見せている。

    それは、Adobe Flash技術をほとんどのアプリケーションに取り入れたことからも理解できる。たとえば「InDesign CS5」では紙媒体のデザイナーがWebデザインに取り組むときも、Webページを紙のデザインと同じ要領で設計できる。さらに、「Flash Professional CS5」ではiPhone向けアプリケーションが開発可能で、「Photoshop Extended CS5」ではインテリジェンスなペインティングツールが搭載されるなど、作業時間をダイレクトに短くできる機能が多数搭載されている。そして、「After Effects CS5」、「Premire Pro CS5」、「Photoshop CS5(Mac版)」がそれぞれ64-bitネイティブに対応。特にPhotoshopは先にWindows版がリリースされていただけに、待望の64-bit化と言えそうだ(32-bitモードでの起動も可能)。

    そのほか、スムーズなワークフロー構築にはオンラインでのやり取りも欠かせない。そこで新しく登場したのが「CS Live」。これはクライアントやプロジェクトメンバーからのコメントをオンラインで取得する「CS Review」や、各種ブラウザでの動作テストを行う「Browser Lab」などから成るアドビが提供するオンラインサービス。制作段階でのコミュニケーションをサポートする。

    さらに充実を見せるAdobe Flash開発環境

    「Adobe Creative Suite 5」に加わったアプリケーションの中で特に充実したのがAdobe Flashを開発する環境。直感的にコーディングをせず、Adobe Flashを開発したい場合は「Flash Catalyst CS5」、開発者向けのコーディング環境やデバッグ機能を必要とする場合は「Flash Builder 4」を用意。中でも「Flash Catalyst CS5」は、デザイナーが苦手とするコーディングを必要とせずユーザーインタフェースを制作するアプリケーションで、これまでコミュニケーションが取りづらかったWeb開発部門とのやり取りを活発化させることができる。一方、「Flash Builder 4」は、コード編集やレイアウト、デバッグを一挙に引き受ける統合開発環境で、より高度なFlashコンテンツを開発できる。両者にあった壁を取り除く画期的なツールになるだろう。

    製品価格とアップグレード価格

    最後に、「Adobe Creative Suite 5」の製品構成と価格を紹介しよう。前バージョン同様、アップグレードは過去3バージョン(CS2以降)から可能。CS4ユーザーにはより安価なアップグレード版が用意されている。また、「Acrobat Professional 6」以降のユーザーもSuite製品へアップグレードできるので注目だ。

    Adobe Creative Suite 5製品構成一覧

    Design Standard Design Premium Web Premium Production Premium Master Collection
    Acrobat 9 Professional(※1) -
    Photoshop CS5 Std Ext Ext Ext Ext
    InDesign CS5 - -
    Illustrator CS5
    Contribute CS5 - - -
    Dreamweaver CS5 - -
    Fireworks CS5 - -
    Flash Builder 4 Standard - - -
    Flash Catalyst CS5 -
    Flash CS5 Professional -
    After Effects CS5 - - -
    Premire Pro CS5(Encore/OnLocation) - - -
    Soundbooth CS5 - - -
    Bridge CS5
    Device Central CS5
    Dynamic Link - - -

    ☆新製品、※1:単体DVDでの提供

    CS Liveオンラインサービス

    Design Standard Design Premium Web Premium Production Premium Master Collection
    CS Review
    BrowserLab -
    SiteCatalyst NetAverages - - -
    Adobe Story(※2) - - -

    ※2:英語環境のみ提供

    同梱製品&テクノロジー

    Design Standard Design Premium Web Premium Production Premium Master Collection
    Flash Player 10.x
    AMP
    AIR
    Extension Manager
    Mocha for After Effects - - -

    Adobe Creative Suite 5 アドビストア価格とアップグレードパス

    Design Standard Design Premium Web Premium Production Premium Master Collection
    製品版 19万8,450円 24万9,900円 23万6,250円 26万1,450円 39万7,950円
    Adobe Creative Suite 4からのアップグレード 8万4,000円 9万8,700円 9万8,700円 9万8,700円 15万9,600円
    Adobe Creative Suite 2/3からのアップグレード(Macromedia Studio 8およびAdobe Creative Suite Production Studioを含む) 10万8,990円 13万4,400円 13万4,400円 13万4,400円 21万8,400円
    単体製品からのアップグレード 14万910円 19万8,450円 18万6,900円 17万6,400円 22万8,900円(※3)

    ※3:対象のCreative Suite 4、3.xまたは2.x Edition、Macromedia Studio 8などのSuite製品からのアップグレード

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