はやぶさが第2期軌道制御を終了 - カプセルの再突入に向けた微調整へシフト

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、地球に向かって航行を続ける小惑星探査機「はやぶさ」が2010年6月の地球帰還に向けて2009年2月より行ってきたイオンエンジンの連続運転(第2期軌道制御)を2010年3月27日15時17分(日本時間)に終了し、地球の中心から約2万kmの位置を通過する軌道への誘導に成功したことを明らかにした。

地球帰還に向け宇宙を航行する「はやぶさ」のイメージ図

今後は、はやぶさから送られてくる姿勢データを見ながら、イオンエンジンの吹く向きや太陽光圧、太陽電池の日の当たり具合、地球との通信の向きなどを考えに入れて計算を行い、6月まで数回にわたった軌道の微調整が行われる予定で、米国航空宇宙局(NASA)深宇宙局網の支援も受け、軌道修正中は実時間での常時監視を行い、誤差を把握することで、オーストラリアへの試料回収カプセルの着陸に向けた精密な誘導を実施していく計画としている。

はやぶさの現状

着地予定区域については、オーストラリアの人口非稠密の陸地に設定されており、「軌道決定誤差」、「軌道変更誤差」、「風や大気密度の分散」、「カプセル空力係数の不確定性」などを考慮して着地点分散の評価が行われている。当該地域には遊牧民キャンプが複数点在し、その分布が年ごとに、また季節によっても変化するため、地球帰還時点において最良となる着地点中心を協議の上決定することでオーストラリア政府が基本合意しているという。

再突入に関する計画の概要

また、カプセル回収作業のシーケンスは、カプセル再突入に際し、光学観測による着地点予測を実施。その後、ビーコン受信による着地点予測を行い、ヘリによるカプセル本体捜索および着地点計測を実施。着地点確認を経た後、回収部隊がヘリで移動し、回収、安全化作業、指令管制塔(RCC)へ輸送、RCCでコンテナへの格納を経て日本へと空輸されることとなる。

カプセル回収作業シーケンス

再突入までは、確定ではないものの、60日前までに地球外縁部への初期誘導を実施、同42日前に地球との距離約1,500万km程度の地球外縁部へ誘導、同21日前に同約600万km付近の地球外縁部への誘導を経て、9日前にオーストラリアの着陸想定地域へ向けた誘導を実施し、3日前に着陸想定地域への詳細誘導、1日前にカプセル昇温、突入3時間前に電源切り替え、カプセル分離、カプセル撮影を行い、その後はやぶさ本体の消滅とカプセルの着地といった軌道誘導が検討されている。

再突入における軌道誘導の概要

なお、はやぶさは、2010年4月1日00時00分(日本時間では同日9時00分)の時点で、地球からの距離2580万9310km、赤経7h56m34s、赤緯31.05度(ふたご座)に位置しているという。

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