FXオンラインジャパン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。まずは今週最大のイベントである米雇用統計の情報から。

先週とは違い、米国に楽観的な見方のコメントが多く見られる。今週末に予定されている3月の米雇用統計の数字が、前月比で19万人増(平均値)と出ており、雇用の大幅な改善と景気回復への期待感が更に強まっている。

USD/JPY 日足

しかし内容を見ると、この雇用が正規の社員としての雇用であれば問題はないが、契約社員から様子見をする企業が多いようなので、この点は注意しておきたい。それに加え、3月は雇用者数には国税調査に伴う臨時的な雇用によりかなりの人数が含まれることとなり、仮に数値が市場予想を上回っても、マーケットがそれを素直に好感するかは、別問題だろう。

また、米医療保険制度改革などの資金をまかなう借り入れに対する懸念が広がり、5年債の入札が不調となっており、債券は売り込まれる展開も見られ、足元は未だ固まりきらず、不透明感の中、今週発表される米経済指標の内容によりドル円相場は乱高下する可能性もある。

このような状況を踏まえ、今後の動向をテクニカルで分析すると、オーバーシュートを除けば、上は100-94円、下は94-88円と双方6円幅のレンジが想定しておけばいいだろう。

現状、93円がレジスタンスとして機能しているが、その上の94円レベルも上値は重いとだろう。仮に上値圧力が強まった場合、下は94-88の中値91円がサポートレベルとして強く意識される可能性が高い。というのも、このラインは、90-91円のボックス相場を形成中、破られるまでは強固なレジスタンスとしてドルの上値を抑えていたため、今度はサポートラインとしてドルを下支えする可能性があるからである。このような傾向はドル円に限らず見られる現象でもあり、下値を探るなら91円をターゲットにしたトレードがベターだろう。

尚、直近の注文状況を見ると、上は93円越えにストップ、やはり94円越えも同様に観測される。

下には、目立ったストップは見られず。しかし、上記でも言及したように91円レベルでのサポート要因は注視した方が良いだろう。特に同ラインには、一目均衡表の雲の上限も位置しており、ドルの底堅さを演出する可能性が指摘できる。