2011年9月3日にオープンを予定している「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」が4月から着工となる。これに先立ち、29日、藤子・F・不二雄プロが都内にてミュージアムの全容を明らかにした。

左から、藤子・F・不二雄プロの伊藤善章社長、藤子・F・不二雄夫人・藤本正子さん、村上隆氏、川崎市の阿部孝夫市長。この日のために作られたという、身長129cmの等身大ドラえもん(中央)は、ミュージアムでも展示される予定

「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」が建設されるのは、神奈川・川崎にある2002年に閉園した向ヶ丘遊園の跡地。同ミュージアムでは、藤子・F・不二雄作品の5万点にのぼる原画を展示する。さらに、藤子氏愛用の机を展示した「先生の部屋」や、藤子氏による世界各地の取材写真等を展示した「先生の部屋」等、数々の漫画が生み出されていった環境を垣間見ることができるスペースも用意されているなど、特徴的な展示が予定されているという。藤子・F・不二雄プロの代表取締役社長・伊藤善章氏は、「原画を楽しんでいただくというのが、中心的な考え」と話し、「原画にまつわる情報や、当時先生が書かれたオシャレなテーマ、隠された味付けなども解説する予定です」と、現在の構想を説明した。

代表作『ドラえもん』をはじめとするさまざまな作品の原画が展示される

また、伊藤社長は「子供たちが遊べるようなスペースも用意し、メリハリの利いたミュージアムにしたい」とも述べ、藤子氏作品のキャラクターと触れ合えるキッズスペースなども設置する予定であることも明かした。さらに入場は、ゆったりと展示物が見学できるように、完全予約制になるという。また、入場料は大人1,000円、中高生700円、小学生500円を予定しており、1日2,000人、年間50万人の集客を目標としている。

取材写真を展示した「先生の旅の部屋」

藤子漫画が読めるライブラリーも

キャラクターと触れ合える「キッズスペース」

屋上の広場にはキャラクターのオブジェを設置

なお、同ミュージアムは、正子さんが「藤子・Fの原画は、彼の生きた時間。末永く作品を保存したい」との想いから、藤子氏が長年暮らした川崎市に藤子氏の漫画作品の全ての原画を寄贈したことから、建設が決定。夫人は「藤子・Fの作品を応援してくれた子供達に恩返しがしたい」と語った。

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※施設画像はイメージです