あなたがiPadを手に入れたら、この話題のタブレットデバイスをどのように活用したいと考えるだろうか。Apple自身はコンシューマ向けメディアデバイスと位置付けるiPadだが、思いの他仕事への活用を考えているユーザーは多いようだ。データベース管理製品やモバイル製品を扱う米Sybaseが、携帯電話ユーザーを対象にしたアンケート調査でiPadなどタブレット型デバイスの活用方法を尋ねたところ、最も多かった回答が仕事での利用だという。

今回の調査はSybaseとZogby Internationalの共同で行われたもので、2,443人の携帯電話を持つ成人ユーザーと770人のスマートフォンユーザーを対象に実施された。アンケート結果の解説はSybaseのサイトで確認できるほか、詳細データをまとめたPDFファイルも用意されている。

それによれば、さまざまな機能が利用できるiPad型タブレットデバイスをもし持っていたとして、どういった活用方法を考えているかの設問を用意したところ、52.3%の回答者が「仕事での活用」を挙げてトップとなった。その後に映画などの動画コンテンツの閲覧、ゲームコンテンツのプレイが続く。またスマートフォンユーザーを対象にしたアンケートで、スマートフォンやタブレット製品が仕事の生産性を上げるかとの設問では、全体の4分の3ほどが「はい」と答えている。

「iPadをどのように活用したい?」という設問では「仕事」と答えたユーザーが半数以上に(出典:Sybase)

タブレットのビジネスシーンでの活用法についてはさまざまなことが考えられる。仕事のデータを出先で閲覧したり、あるいはプレゼンテーションに活用したりと、可搬性を重視した使い方があるだろう。

一方で、アンケートではタブレットやスマートフォン利用における問題についても言及している。例えば現在いる会社の情報(OfficeファイルやCRMのデータなど)に対してこれらデバイスでアクセスしようとしたとき、実際にどれだけの情報にアクセスできるかという回答では「10%未満」が7割以上を占める圧倒的な状態だった。企業システムが実際のニーズに追いついていないということを意味する。

スマートフォンやタブレットを仕事に活用したいというユーザーは多いようだが、そのアクセス可能な情報は驚くほど少ないようだ(出典:Sybase)

もっとも、今回の調査はモバイル管理ソリューションを提供するSybaseの販促ツールという意味合いを含んでおり、実際にどの程度のiPadユーザーがこうした活用法を考えているかは未知数だろう。だが以前にも、IBMがすべてのLotusソフトウェアをiPadやスマートフォンに対応させると紹介した記事「IBMがiPad向けLotus製品群を準備中、エンタープライズもiPadで」のように、すでにビジネス用途での活用を考えている企業は登場しつつある。