フィアット グループ オートモービルズ ジャパンは、コンパクトモデル「アルファ ロメオ ミト(Alfa Romeo MiTo)」に6速乾式デュアルクラッチ機構「Alfa TCT(Alfa Twin Clutch Technology)」を搭載したモデルを追加。3月27日より先行予約を開始する。価格は288万円(スプリント)と305万円(コンペティツィオーネ)。納車は7月より順次行なわれる予定。

アルファロメオ ミト 「Alfa TCT」搭載モデル

デュアルクラッチ機構「Alfa TCT」は、今春のジュネーブモーターショーで発表されたばかりのもの。オートマチック需要の高い日本市場を考慮し、ほとんどタイムラグなく投入されることになった。

Alfa TCTは二重構造のインプットシャフトに乾式クラッチディスクを2つ装備し、動力伝達経路を2つのクラッチにより選択することで、ほとんど瞬時に変速を完了する。マニュアルトランスミッションのダイレクトな感覚、高い動力伝達効率、燃費経済性を確保しつつ、AT車同様の自動変速を実現。また、乾式とすることによりトランスミッションを軽量・小型化した。電子制御による半クラッチ機能を利用したクリープ現象により、従来AT車と同様の微速走行も可能だという。

組み合わせられるエンジンは、ターボチャージャー付きの1,368cc直列4気筒の「マルチエア エンジン」。これは電子制御油圧システムにより吸気バルブの開弁時期やリフト量をコントロールするもので、飛躍的に自由な制御が可能となった。アクセルレスポンスやトルクの向上だけでなく、燃料消費量とCO2排出量の低減にも有効だとしている。最高出力は99kW(135PS)/5,000rpm、最大トルクは190Nm(19.4kgm)/4,500rpmだが、ターボ過給圧を上げるオーバーブースト機能により、トルクを230Nm(23.5kgm)/1,750rpmにまで増やすことが可能。また、信号待ちなどで自動的にエンジンを止める「スタート&ストップ」システムをアルファロメオとして初めて採用した。

すでに発売されている6速マニュアルトランスミッションの「ミト 1.4 ターボ スポーツ(MiTo 1.4 T Sport)」が4名乗車定員なのに対し、デュアルクラッチを搭載した「ミト スプリント(MiTo Sprint)」と「ミト コンペティツィオーネ(MiTo Competizione)」は乗車定員を5人とした。そのほか、6:4分割可倒式リアシートや、電動格納式ドアミラー、デュアルゾーン式フルオートエアコン、リア・パーキングセンサーなどを新たに採用している。

フロントビュー

サイドビュー

シフトレバー

Alfa TCT カットモデル

常に次のギヤが準備するデュアルクラッチ

エンジンと組み合わせた状態