米国では街のあちこちでiPod touchとゲームを絡めた街頭広告が見受けられる(写真はサンフランシスコ市内のもの)

「iPhoneアプリは儲からない」とはよく言われる話だが、ことゲーム分野に関しては認識を改めたほうがいいかもしれない。調査会社の米Flurryの携帯ゲーム機に関する最新分析で、2009年のiPhoneゲームの売上がPSP(PlayStation Portable)のそれを大きく上回ったことが指摘されている。

これはFlurryが23日(現地時間)に発表した「Apple iPhone and iPod touch Capture U.S. Video Game Market Share」というデータから見て取れる。米国におけるゲームソフトの売上シェアを分析すると、2008年に据え置き型ゲーム機が79%だったのに対し、2009年には71%へと減少し、代わりに携帯ゲーム機が24%、iPhoneゲームが5%と躍進している。

特に2008年に1%程度だったiPhoneゲームの売上は急拡大しており、ゲームプラットフォームとしてあなどれない存在となりつつある様子がうかがえる。Appleは携帯ゲーム機としてのiPod touchをプッシュしているほか、App Storeの有料アプリの上位陣はゲームがお馴染みの顔だ。開発者も積極的に参入を試みており、市場が形成されつつある。

米国におけるゲームソフト売上シェアの年間推移(出典:Flurry Analytics)

なお、今回の分析の基となっているデータでは、2008年に110億ドルだったゲームソフトの売上が2009年に99億ドルまで減少している。これも不況やヒット作の不作を反映したものかもしれない。一方で、携帯ゲーム機やiPhoneゲームの比率が増えていることから、ユーザーは手軽で安価なゲームに流れている可能性がある。

この携帯ゲーム機のソフト売り上げシェアを機種別に分類すると、Nintendo DS(NDS)のシェア推移は75%から70%と減少、PSPは20%から11%と大幅減少、iPhone OSは5%から19%と激増していることがわかる。金額シェアの大きいNDSはともかく、iPhone OSのゲームプラットフォームとしての市場はすでにPSPのそれを上回っていることになる。

また間もなく同プラットフォームにはiPadという伏兵が待っており、多くのゲームメーカーが参入機会をうかがっていることから、さらなるシェア拡大が予想される(「【レポート】Apple タブレットはゲーム/エンタメを”再定義”するコンシューマ端末 - 米調査会社」「AppleがiPad用アプリ登録審査を受付開始 - 大多数はゲーム?」)。

米国における携帯ゲーム機向けゲームソフト売上シェアの年間推移(出典:Flurry Analytics)