米国は国益のために"ある程度"のドル安容認、輸出産業の活性化が狙いか

為替テクニカル

FXオンライン アナリストチームが最新のデイリーレポートをお届けする。対欧州通貨や資源国通貨でドル売りスピードが加速しても、米金融当局者からは強いドルを強調される回数が少なくなっている印象を受ける。オバマ大統領も表明しているように、米国としては国益のためにある程度のドル安容認により、国内の輸出産業を活性化させたい狙いがあるものと考えられる。

生産者物価指数(PPI)同様、昨日発表の2月消費者物価指数(CPI)も予想を下回った。発表時は下げたものの90円を割り込めず、インフレ懸念後退により低金利政策継続観測がより強まったことで90.20円に支えられ、上を目指す展開へ。

ただ上昇の勢いも弱く、91円を狙う様な展開には遠く反落。あいかわらず90円半ばでの推移となりレンジ内となっている。

オーダー状況を見ても、上は90円後半からオファーが並んでおり、下は90円のライン割れレベルにストップが散見される。

USD/JPY 15分足

1時間足ベースでもテクニカルをあてはめるまでもなく、ここ数日90-91円のボックスレンジが継続。すぐ戻した水準を抜けば、90.10-90.80とより小幅なレンジも想定可能なほど眠くなるような状況となっている。本日は米経済指標の発表予定もなく、週末も重なっていることからレンジブレイクの可能性が低いだろう。

超短期スパンによるストキャスティックスやRSIにより、細かいトレードを心掛け、来週に備えるのが無難か。

USD/JPY 1時間足

米国SPX500種株価指数

昨日発表された2月の米CPIは、ほぼ市場予想の範囲内におさまったこともあり、インフレが米経済に与える脅威が遠のいた。これにより米国SPX500種は目先の心理的レジスタンスラインだった1,150ドルを完全に突破し、1,200ドルをうかがう展開となっている。米国外では、中国の金融引き締め懸念や欧州発のソブリン・リスクが燻り続けているが、今週の株式市場の関心は米経済の動向に移っているため、余程のネガティブサプライズがない限り急落といった可能性は低いと思われる。

ただインフレ動向が落ち着いても、FRBが指摘しているように、今後は雇用情勢が米経済の問題点としてクローズアップされるだろう。米雇用統計も改善傾向にあり、昨日発表された米新規失業保険も前週より減少したことから、一見すると期待感を抱くかもしれない。しかし詳細を見ると、米企業は正社員ではなくパートタイムを採用する傾向にあること、長期失業者が過去最大に上っており、これが更に長期化し景気鈍化につながる可能性が存在することにも注視した方がいいだろう。米地区連銀のエコノミストもこの件に関し、昨日懸念を表明している。

米国SPX500種株価指数日足

上記のファンダメンタルズを考えた上で、本日の動向がどうなるかテクニカルで見てみたい。まずオシレーター系の時間足では、高値警戒感があまり感じられない。STCが60-80付近にある以外、MACDはどちらかと言えばロング、RSIはニュートラルとばらつきがあり、市場も迷っている印象を受ける。

ではスパンを広げ日足で見ると、上値が抑えられつつある。年初来高値を更新し、本日は週末要因も考慮すれば調整売りが出てもおかしくはない状況だろう。その場合、ますサポートラインが目先の下値ポイントとして浮上しよう。仮にここをブレイクしても1,150ドルのラインが控えている。また、ボリンジャー・バンドの中心値も1,150ドルのすぐ下まで上昇しており、短期スパンで利益確定や調整売りとなっても、基調はロングバイアスが継続していると思われる。

米国SPX500種株価指数 STC、MACD、RSI 時間足

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