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米APC Magazineは3月1日(現地時間)、Microsoft関係者の話として既存のWindows Mobile 6.xベースの端末向けの「Windows Phone 7」へのアップグレードを提供する計画がないことを伝えている。これは、Windows Phone 7が従来の資産を切り捨てて完全に新しいプラットフォームとして独立を目指していることを意味するのかもしれない。
以前にWindows Phone 7(WP7)に関するリーク情報をレポートした際に、現行でWindows Mobile 6.5を搭載するHTC HD2向けの同7へのアップデータが今年10月ないし11月ごろに提供されるアナウンスが行われていたことを紹介した。実際、HD2はWP7が持つ3つのハードウェア規格「Chassis 1」「Chassis 2」「Chassis 3」のうち、全面タッチパネルの端末を規定したChassis 1の基本スペックに適合している。プロセッサも1GHzのSnapdragonを搭載し、高解像度スクリーンなど、先日発表されたWP7の一連の端末と比較しても遜色ないなものだ。だが米Microsoftのモバイルビジネスコミュニケーション部門アジア太平洋地域担当ゼネラルマネージャNatasha Kwan氏によれば「HD2は基準を満たしていない、単純にハードウェアのボタンが3つでないから」とアップデータが提供されない理由を説明している。HD2は5つのボタンを搭載しており、確かにその意味ではスペックを満たしていない。
Kwan氏によればWP7は非常に厳格なハードウェア要件を定義しており、そうした理由で現状のWindows Mobileベースの端末にWP7へのアップグレードが提供されることはないという話だ。これだけだと納得しないユーザーは多いと思われるが、Microsoft AustraliaビジネスオペレーションディレクターのTony Wilkinson氏は「HDシリーズにはいくつかのハードウェアコンポーネントが不足している」と補足しており、単純にボタンの数では済まない理由が存在することを示唆している。
Chassis 1などにおける明確なスペック要件が公表されていないため、どのコンポーネントが不足している等の予測も難しい状況だが、これらの一端は今月中旬に米ネバダ州ラスベガスで開催されるMicrosoftのWeb技術カンファレンス「MIX 10」で公開されることになるだろう。とはいえ、Microsoftが事実上WP7で互換性の排除や既存資産切り捨てて新プラットフォームの確立を目指していること、ハードウェア要件の厳密化で端末の画一化を図っていることなどから、同社がWP7でモバイルビジネスの心機一転を狙っていることは容易に想像がつく。また従来のWindows MobileのようにOEMパートナーにソフトウェアを販売する形態から、WP7ではどちらかといえばベンダーに厳密なスペック表を渡して専用端末の制作を依頼する形態へとシフトしており、Androidのような奔放さもなく、本当はMicrosoft自らがiPhoneやBlackBerryを作りたがっているようにも見える。
だがWP7で互換性を切り捨てて画一化を目指している以上、従来の資産の多くは切り捨てられる運命なのだろうか。これについてKwan氏はWindows Mobile 6.xベースのOSはそのまま併存し、「Windows Phone Classic」の名称で再ブランディングされることになるという。顧客(この場合はOEMベンダーや企業)にWM6.xベースのアプリをそのまま使いたいという要望が多く、それを活かす方向で検討しているようだ。実際、既存のWM6.5ユーザーには、再ブランディングの前にWM6.5.3のアップデートが提供されることになるという。以前のレポートで"Windows Mobile 7"には2つのエディションが用意されるという話題を紹介したが、これはWindows Phone 7とWindows Phone Classicのことを指すことになるようだ。
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