米Appleが25日(米国時間)に、米カリフォルニア州クパチーノの本社で株主総会を開催する。昨年長期休暇中で参加しなかったSteve Jobs CEOの質疑応答に注目が集まるなか、米Bloombergは新たに共同主席取締役に就任したAndrea Jung氏の役割にスポットライトを当てている。

Avonの会長兼CEOのAndrea Jung氏がAppleの取締役に就任したのは2008年1月。Appleがストックオプションの不正付与問題の対応に追われ、最高財務責任者だったFred Anderson氏が役員を辞任した後に加わった。現在7名のApple取締役の中で唯一の女性である。Bloombergによると、Jung氏はBill Campbell氏に代わって昨年12月に主席取締役に就いた。Appleがプレスリリースを出さなかったこともあり、この交代はほとんど知られていない。AppleのWebサイトの投資家向けFAQを確認すると、Jung氏とGenentech会長のArthur D. Levinson氏が共同主席取締役となっている。

交代の理由についてBloombergは、Jobs氏との関係が強く、その意向が反映されやすい取締役会の改革をコーポレートガバナンス(企業統治)の専門家が求めたためとしている。Bill Campbell氏はJobs氏のメンターと呼ばれるような存在ではあるものの内輪のイメージは免れない。エール大学School of Management学部長のJeffrey Sonnenfeldは、Jobs氏が2009年に肝臓移植で長期療養した際に、同氏の健康に関する情報開示が遅れたことでAppleの閉鎖的な体質が指摘されたことを指摘。Jung氏に主席取締役を任せることで、取締役会というグループにより個人の声が反映されるようにしたと見ている。