米AMDは25日、DirectX 11対応GPU、Radeon HD 5000シリーズの新ラインナップとして、「ATI Radeon HD 5830」を発表した。GPUコアは、従来のRadeon HD 5800同様の"Cypress"と見られるが、ストリームプロセッサ数などが減らされている。カード価格は米国内での参考価格で250ドル程度。

「ATI Radeon HD 5830」

Radeon HD 5830は、ハイエンド向けのRadeon HD 5800シリーズにおける廉価版という位置付けの製品。GPUコアの製造プロセスは40nm、トランジスタ数は21.5億個で、これは上位のHD 5870/HD 5850と同様のため、"Cypress"コアが採用されていると考えられる。ただ、ストリームプロセッサ数は1,120基、テクスチャユニット数は56基、ROP数は16基と、HD 5870/HD 5850から減少している。

HD 5770とHD 5850の間を埋める製品で、演算能力は1.79TFLOPS。HD 5850比だと、SPは減ったが、クロックが上がった分なのか、消費電力がやや上昇している

GPUコアクロックは800MHz、メモリクロックは1,000MHz(データレート4,000MHz)。メモリタイプはGDDR5 SDRAMで、容量は1GB、接続バス幅は256bit。消費電力は最大175Wで、アイドル時は25W。バスインタフェースはPCI Express (2.0) x16。ほか、マルチディスプレイ技術の「ATI Eyefinity」サポート。

こちらはHD 5850およびHD 5770とのベンチマーク比較

各社から搭載グラフィックスカード

米AMDの発表を受け、SAPPHIRE、PowerColor、GIGABYTE、HIS、XFXといった主要各社からRadeon HD 5830搭載グラフィックスカードの発表が相次いでいる。日本国内向けとしては、SAPPHIREやPowerColorの製品などが2月下旬頃から順次発売される予定で、価格帯は2万円台後半が中心となるようだ。

SAPPHIREの「SAPPHIRE HD5830 1G GDDR5 PCI-E DUAL DVI-I/HDMI/DP」