ピン芸人日本一決定戦『R-1ぐらんぷり2010』(関西テレビ・フジテレビ系)決勝戦が23日、東京・台場のフジテレビで行われ、今大会で6回目の決勝進出となるあべこうじ(よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属)が悲願の優勝を果たし、賞金 500万円を手にした。

『R-1ぐらんぷり2010』で優勝したあべこうじ

8回目を迎えたR-1のファイナリストは、バカリズム、いとうあさこ、Gたかし、川島明(麒麟)、我人祥太、なだぎ武(ザ・プラン9)、エハラマサヒロ、あべこうじに、21日の「サバイバルステージ」で決勝進出を決めたCOWCOW 山田與志を加えた9組。今年は決勝が新ルールとなり、まずは例年通りファイナリストがネタを披露。さらに、得点上位3組が別のネタで戦うファイナルステージが行われ、審査員の投票で優勝者が決定される。

ファイナルステージに勝ち残ったのは、すでに2連覇を達成し、3度目の優勝を狙うなだぎ、昨年の準優勝者・エハラ、R-1決勝常連・あべの三強。なだぎは不気味なアニメキャラの商品にクレームをつける男、エハラはインタビューにオトナ口調で答える赤ちゃんと、キャラを作り込んだコントをぶつける2人に対し、あべはしゃべくり一本の漫談で勝負。オリジナルの「ドレミの歌」を作るというネタで観客をグイグイと引き込み、最後は客席から「おぉ」とため息が漏れるほどの鮮やかな"オチ"で締めて話芸の力を見せつけた。

そして、運命の投票では7人の審査員(桂三枝、高田純次、大平サブロー、清水ミチコ、ラサール石井、板尾創路、伊東四朗)のうち、6人があべに票を入れる圧勝で王者の座を獲得。この結果を目にした途端、あべはいつもの口の減らない"ウザい男"キャラをかなぐり捨てて泣きじゃくり、「やっと(R-1を)卒業できる…」と素直な気持ちを漏らしていた。

大会後に行われた会見であべは「マジでうれしいっす。漫談が優勝するのは難しいと言われたけど、このスタイルにこだわりたかったので、今回の優勝は本当にうれしい」と悲願を叶えた喜びを

番組の司会を務めた雨上がり決死隊・蛍原は「あべちゃんはR-1常連で、いつ優勝するのかと気を揉んでましたけど、やっと優勝してくれて本当によかった」と祝福

また、優勝決定直後の"男泣き"について突っ込まれると「僕、意外と感動屋さんなんです。ウザいキャラなんであんまり泣かないようにしてたんですけど(笑)」と“ウザい男”の素顔が垣間見える? コメントも。だが、気持ちも落ち着いたのかいつもの調子を取り戻し、今後の野望について聞かれると、決勝の1本目のネタで"昼ドラ"をテーマにしていたことにかけて「まずは昼ドラに出たいですね。あと、占い師に『ミュージシャンに向いてる』と言われたんで…っていうのはあんまりおもしろくないですか?(笑)」とボケて笑いを誘っていた。

なお、この決勝の模様は27日より「フジテレビ on Demand」で配信(視聴可能期間8日:視聴料315円)。過去の大会の模様も3月中旬より配信予定。