Appleの「iPad」商標問題が欧州でも発生

米Appleの発表した「iPad」について、富士通の米国法人Fujitsu Transaction Solutionsが申請した商標とのバッティングが問題になっているが(【レポート】「iPad」商標問題 - 発表を優先したApple、富士通対策も万全!?)、どうやら問題となるのは富士通の件だけではないようだ。IDG Newsの報道によれば、欧州のある半導体メーカーが「IPAD」の名称ですでに欧州での商標を登録しており、Appleの現在の申請内容では一部のカテゴリでこの商標の利用に抵触する可能性が高いという。

今回対象となるのは、フランス-イタリア系企業でスイスのジュネーブに本社を置く半導体メーカーのSTMicroelectronics。STMicroelectronicsは同社の信号処理技術に「IPAD」の名称をつけており、これは「Integrated Passive and Active Devices」の頭文字をとったものだとしている。IPADの商標は2001年9月14日に取得済みで、現在のところ2010年の9月1日に商標の期限が切れる見込みのようだ。

Appleでは、欧州の「Trade Marks and Designs Registration Office」に対して2010年1月18日に「iPad」の名称で商標を申請している(ただし、Appleのダミー会社といわれるIP Application Development LLC名義)。この際に同社は、STMicroelectronicsの保有する6つのカテゴリよりも幅広い分野を申請でカバーしている。このうち両社でバッティングするのはカテゴリ9と16の2つで、"カテゴリ9"はエレクトロニクスとコンポーネント、"カテゴリ16"は名称のすべての印刷物やソフトウェアでの使用という内訳になっている。「iPAD」の商標についてはドイツのSiemensも商標を申請しているが、これは「モーターとエンジン」という別のカテゴリでの申請のため、STMicroelectronicsとAppleのどちらのカテゴリともバッティングしない。

STMicroelectronicsではこの問題を認識しているものの、Appleに対して具体的にどのようなアクションを起こすのかという点については現時点でコメントしていない。