米Googleは1月26日(現地時間)、スマートフォン向けGoogle Voiceの提供を開始した。複数のメディアが同日伝えている。Google VoiceはAndroid搭載のモバイル端末とBlackBerryではすでに対応済みだったが、今回新たにiPhoneとPalm PreのwebOSをサポートし、対応プラットフォームが一気に広がった。「m.google.com/voice」のURLでアクセスできるが、現状はまだGoogleから招待を受けた既存ユーザーのみが利用できる状態で、一般開放されていない。

Google Voiceはユーザー固有のボイス用メールボックスをオンライン上に置き、携帯端末などに振り分けられた電話番号から切り離すことを可能にするサービス。使い方を工夫すれば、いつどこでどんな端末や受信環境であっても、自身で送受信環境を自在に管理し、電話番号を完全に一本化することができる。Web上のサービスだけでなく、携帯電話を含む身近なモバイル端末に利用環境を広げてこそ活きるサービスだが、GoogleがApp Storeへの専用アプリ申請をAppleに打診したところ、登録を拒否されるという事件が話題となった。これはiPhoneの提供キャリアである米AT&Tや米政府直下の連邦通信委員会(FCC)をも巻き込んだ一大騒動 となり、Appleが同件について釈明する事態に追い込まれた。

同件はその後、iPhoneにおけるAppleとAT&Tのような独占販売形態の妥当性や、これによりユーザーが、不利益が被っていないかの判断、そしてAT&TがiPhoneを独占的に抱えることでのネットワーク・キャパシティの限界など、Google Voiceとは離れた形で半年にわたって議論が拡大してきた。結局、今回のようにWebアプリの形態で提供が開始されたGoogle Voiceだが、以前に比べてAppleとGoogleの間の溝は深まっているといえるかもしれない。なお、前述のように提供対象は米国内の招待を受けたユーザーのみで、現在のところ新規登録は行えない。希望するユーザーは電子メールアドレスを登録しておくことで、サービスの枠が広がりしだいGoogleから招待状を将来的に受け取ることができる。