新しい年が明けて早々にハイチを襲ったマグニチュード7.0の大地震、発生から1週間が経過したが、救援作業はなかなか進まず、死傷者の数は増え続けるばかりだ。倒壊した建物の下には、まだ多くの人びとが生き埋めにされたまま残されているという。

今回紹介する画像は、NASAの地球観測衛星「Terra」に搭載されているリモートセンシングデバイス「ASTER(Advanced Spaceborne Thermal Emission and Reflection Radiometer)」がとらえた、地震発生から2日後のポルトープランス付近の地形だ。

1月14日に撮影されたハイチ・ポルトーフランス付近の画像。赤く囲んである部分は、今回の地震により発生した地滑りの箇所。ASTERは日本の経済産業省が開発した光学センサーで、解像度は15 - 90m。おもに地表の温度分布や海抜などのデータを収集している

赤い部分の拡大画像。地滑りが起きた場所は白く表示されているのがわかる

地形を変えてしまうほどのパワーを持つ大地震が、インフラの整っていない"カリブの最貧国"を襲った。もともと悪かった治安がさらに悪化しているという。ハイチの人びとがふつうに暮らせるようになるまでには、まだ相当の時間がかかりそうだ。