日本のユーザーのiPhone新製品における関心事の1つは、KDDIのauが採用するCDMAサポートが行われるかという点だ。米Appleから具体的な動きは見えてこないものの、新型タブレットや次世代iPhoneでCDMA系キャリアである米Verizon Wirelessとの提携交渉が行われているという噂が聞こえてくるなど、少なからず芽はあるようだ。今回の話題もまた、こうした噂をバックアップするものとなるかもしれない。

Apple Insiderの5日(米国時間)の記事によれば、UBS Investment ResearchのMaynard J. Um氏が同日に投資家らに宛てた文書の中で、現在AppleとVerizonは2010年夏に登場が見込まれる第4世代iPhoneにおいて提携交渉を進めているものの、現状ではまだ価格面での折り合いがついていない可能性があると報告している。Um氏はCDMA版iPhoneの開発自体は行われているものの、それがVerizonからこのタイミングで登場するかは未知数という。

これらの発言はCDMA版iPhoneの存在そのものを肯定するわけではないが、本来は現状のiPhoneでは動作すらしないはずのネットワークを持つVerizonとの深い交渉が進んでいるという話が流れてくること自体、Appleがこれら特殊なネットワーク向けに製品を開発することは"やぶさか"ではない、ということを示している。iPhoneでのCDMAサポートについては以前、CDMA系チップで大きなシェアを持つ米QualcommがAppleとの提携を模索しているという話が聞かれている(「【レポート】第4世代iPhone登場の布石? - 活動ログが米Apple本社付近で発見される」)。Qualcommが提供するのはGSMとCDMAの両系統をサポートするデュアルキャリア対応チップとなる見込みだが、製品の登場は早くとも2010年後半となり、Appleとの交渉が現時点で進んだとしても2010年半ばの第4世代iPhoneには間に合わない可能性が高い。