K&F Computing Research(KFCR社)は、GPU等のSIMD型ハードウェアアクセラレータ向けCコンパイラ「Goose」をリリースした。標準価格はパーソナルエディションで99,750円、インスティテューショナルエディションで498,750円。いずれの製品にもコンパイラ本体のソースコード(rubyで記述)が付属。価格には1年間の無償バージョンアップと技術サポートを含んでいる。

Gooseは、GPUを含む各種アクセラレータのAPIやアーキテクチャを、アプリケーションプログラムに対して隠蔽する。そのためPC等の汎用計算機向けにC言語で記述されたプログラムを、ソースコードをほとんど変更することなくアクセラレータ上で動作させられる。

あえてC言語の言語仕様を完全にはサポートせず、ドメイン特化型のコンパイラとなっている。SIMD型アクセラレータ上での実行に適した文法記述のみを処理し、それ以外の記述は一般的なCコンパイラへ渡して汎用計算機向けにコンパイルする。この切り分けによって、汎用計算機上で動作する既存のプログラムをアクセラレータへ移植する際に必要となるソースコードの変更を、最小限に抑えることに成功している。

現段階では、アクセラレータとしてKFCRのGRAPE-DR、およびAMD(ATI)とNVIDIAのGPUに対応。特にAMDのGPUについては、エーキューブ(FireStream国内総代理店)の協力のもとで動作テストを行っているという。