政府・宇宙開発戦略本部事務局は12月16日、事業仕分けの結果、国内での需要が十分ではなく、約940億円の開発予算が負担できないとして、GXロケットの開発を中止することを発表した。

GXロケットは宇宙航空研究開発機構 (JAXA)、ギャラクシーエクスプレス、米国ロッキード・マーティンが開発している中型ロケットで、H-IIAロケットよりも低スペックのロケット。2段目にJAXAが開発を進めているLNGエンジンの採用をしようとしている点が特徴だ。

政府はGXロケットの需要について、「他国にもっと実績が高いロケットや低価格のロケットがあるためGXロケットの競争力は小さいうえ、国内でも十分な需要があるとは言い難く、受注できる見通しがあるとは判断できない」とコメントしている。

また、GXロケットにかかる開発費については、システム開発(射場整備含む)が406億円、LNGエンジン開発が171億円、試験機打上げ(2機)360億円の計940億円で、さらに今後5年間で開発すると想定した場合に平均して毎年約200億円の予算が必要と見積もられ、これらの金額が政府の衛星開発に影響を及ぼすとしている。

加えて、中型衛星の打上げは、GXロケットが開発されなくても、現状と同様に、H-IIAロケットによって対応が可能だという。

LNGエンジンはバックアップ機能を含め、ロケットの選択の幅の拡大に役立つものとして、開発が続けられる。

LNG酸素着火実験装置の全景 写真: 宇宙航空研究開発機構