Mozilla Japanは9日、オープンソースのメールソフト「Thunderbird」の最新版となる「Thunderbird 3」をリリースした。対応OSは、Windows 2000 / XP / Vista / 7、Windows Server 2003、Mac OS X 10.4 / 10.5 / 10.6、Linux カーネル 2.2.14。MozillaのWebサイトからダウンロードできる。

「Thunderbird 3」は、高速全文検索エンジン、メッセージタブ表示機能、添付ファイルの付け忘れ防止機能、Gmailの統合、メッセージアーカイブ、スマートフォルダなど実に2,000以上の新機能や改良が加えられた、2年半ぶりのメジャーアップデートとなる。

新開発の高速全文検索エンジン「Gloda」では、Thunderbird 2と比較して30倍以上の高速化を実現。検索結果画面では、条件や期間をクリックのみの簡単な操作で指定、目的のメールに素早くたどり着ける「絞り込みツール」、「タイムラインツール」なども搭載されている。複数のメッセージを表示させる場合には、Firefoxなどのタブブラウジング同様に切り替えて表示できるメッセージのタブ表示機能も備わる。

「Thunderbird 3」起動画面

タブメッセージング

メッセージの作成中に「添付」、「attachment」などの単語がある場合に情報バーを表示して添付ファイルの確認を促す親切な機能も搭載される。数カ月、数年たったメールでもしっかり整理整頓できるよう年代別のアーカイブフォルダ移動保管するメッセージアーカイブなどの便利な機能もある。

添付忘れ防止機能

スマートフォルダ

また、ワンクリックでアドレス帳に追加するワンクリックアドレス帳、数百種類のThunderbird用アドオンを管理画面から直接インストールするアドオンマネージャ、Gmailとの統合強化など新機能が多数搭載されている。

ワンクリックアドレス帳

アドオン管理画面

なお、Mozilla Japan 代表理事 瀧田佐登子氏からは以下のようなコメントが発信されている。

「この数年で、インターネット上のコミュニケーションスタイルは大きく変化し、インスタントメッセージ、ソーシャルネットワーキング、最近ではマイクロブログなど、多様化が進んでいます。そのような中でも、メールは多くの人にとって未だ必要不可欠なコミュニケーション手段であり、2 年半ぶりのメジャーアップデートとなる Thunderbird 3 は、メールソフトの今後を方向付ける重要な製品となるでしょう。Mozilla はこれからもインターネット技術と製品の革新を進め、最高のメール体験を皆様にお届けします。」

Thunderbird の開発を主導する米国 Mozilla Messaging 最高経営責任者 (CEO) David Ascher (デービッド・アッシャー) からは以下のコメントが発信されている。

「Thunderbird は、パーソナルで親近感のあるメール体験を望む非常に熱心なユーザを、世界中にたくさん抱えています。皆さんには、Thunderbird の柔軟性や、まさに自分の望むとおりにカスタマイズできるところを気に入って、選んでいただいているのです。メールソフトにただ速さや使いやすさを求めるユーザにとっても、Thunderbird 3 で高速化された検索エンジンやアーカイブなどの新機能は、メッセージの管理にかかる時間を短縮するのに役立つはずです。」