経済産業省は30日、10月の鉱工業指数(速報)を発表した。鉱工業生産指数(05年=100)は86.1で、前月比で0.5%の上昇となった。前月を上回るのは8カ月連続だが、9月のプラス2.1%(確報値)から上昇幅は縮小している。基調判断は「持ち直しの動きで推移している」のまま。

生産指数の前年同月比は15.1%のマイナス。過去最大の落ち込み幅となった2月のマイナス38.4%から改善が続いているが、前月比の上昇幅は6カ月連続で縮小している。上昇への寄与度が高かったのは業種別では、一般機械工業、金属製品工業、情報通信機械工業など、品目別では、モス型半導体集積回路(メモリ)、半導体製造装置、蒸気タービン部品となっている。

出荷指数は前月比プラス1.3%の88.8(前年同月比は13.0%低下)でこちらも8カ月連続の上昇。上昇に寄与したのは、輸送機械工業、情報通信機械工業、一般機械工業などだった。一方、生産された製品が出荷されずに生産者の段階に残っている在庫の動きを示す在庫指数は、前月から1.5%低い93.3で2カ月連続の低下(前年同月比は14.4%低下)。在庫の低下に寄与したのは、一般機械工業、鉄鋼業、輸送機械工業など。在庫率指数は116.9で前月と同水準(前年同月比は3.0%の上昇)だった。

同時に発表した製造工業生産予測調査では、11月は前月比3.3%の上昇、12月は1.0%の上昇を予想している。

※注 : 生産指数、出荷指数、在庫指数、在庫率ともに季節調整済みの数値