昭和電工は、既存品比で安全性を向上させた新電解質(Li2B12FXH12-X)を利用した次世代電解液の開発を進め、車載用大型リチウムイオン電池向け電解液事業に参入することを明らかにした。

米Air Products and Chemicals(APD)が保有する新電解質に関する技術と同社の独自電解液技術を組み合わせることで、車載用に最適な次世代電解液を開発し、併せて量産技術の早期確立を目指すとする。

同社が開発を進める新電解質は、電池の劣化原因の1つである水との反応や、経年とともに電池の正極を腐食する酸の発生がなく、さらに400℃でもその性質が変化することがない高温安定性という特長を持っている。また、現状の電解液を使用した場合と比較して電池容量を引き上げることができるなどの利点もあり、同社では事業化により、自動車用リチウムイオン電池向け負極材などと合わせ、先端電池向け素材分野として、2020年には売上高600億円を目指すという。