経営チャンネルの週間ランキングもこれで7回目、まだそれほど回数を重ねているわけではないが、それでも続けてやっていると、小誌の読者がどういった記事を積極的に読んでくれているのか、その傾向がわりとはっきり見えてくる。ほぼ毎週上位にくるネタとしては、Windows 7、携帯/モバイル技術、ビジネスパーソンのライフハック/スキルアップ、といったところが挙げられる。また大手企業の動向を扱った記事も読者の興味を引きやすいが、国内企業の場合はその経営戦略が、海外企業の場合は競合との関係が、それぞれ注目されることが多いようだ。

というわけで、そんなことをちょっと頭の隅に置きながら、11月7日(土)から11月13日(金)の上位10記事を眺めてみてほしい。

1位 Acrobatを使わずにPDFファイルを編集する方法
2位 経産省、抽選で5万円が当たる使用済み携帯回収実証事業を開始
3位 Windows 7にアップグレードする10の理由
4位 NTT、Android搭載デジタルフォトフレームを用いた情報配信の実証実験
5位 「2000年代のCEO」に米Apple CEOのスティーブ・ジョブズ氏 - 米Fortune
6位 2009年10月度全国企業倒産状況、帝国データと商工リサーチの値を比較
7位 Wi-Fiホットスポットをマーケティングに活用 - Google、MSなど相次ぎ参入
8位 AppleがNokiaを抜いて携帯電話収益ナンバー1企業に - 米調査会社報告
9位 【レポート】名門IBMを襲ったインサイダー取引事件 - なぜ彼は彼女にリークしたのか
10位 【コラム】エンタープライズ0.2 - 進化を邪魔する社長たち - 第37回 経営感覚のないIT社長。朝風呂を楽しむデスマーチ0.2

2週連続で首位をキープしたAcrobatなしでPDFを使うテクニック集。前回とは異なり、今週は文句なしのダントツ1位でした。たしかに先方から送られてきたPDFにコメントを付けて返信するのに、Acrobatがなくてもできるなら、本当に助かる。ちょっと前まではAcrobatなしでそんなことが可能になるなんて思ってもいなかったのだが……もっと言うなら、FirefoxのプラグインでPDFが生成できるようになっていることも、よく考えると驚きではあるのだが。

2位となったのは、なかなか進まない使用済み携帯の回収に業を煮やした経産省が打ち出した施策。正直、この「金で釣る(ただし抽選)」作戦は、悪くないアイデアではないだろうか。"タンスケータイ"が増殖する最大の理由は、メモリに詰まったメールや写真を削除したくないからで、でもデータを移すのは面倒なわけで……そんな重い腰を上げさせてくれそうなエサではある。携帯の回収作業が進めば、レアメタルの回収も進む。資源の少ない日本にとって、けっこう重要な事業かもしれない。

4位のNTTの実証実験記事は、掲載後、数時間で急激にアクセス数を伸ばし、一気にランクインを果たした。ここでのキーワードは"Android"。iPhoneの勢いの影に隠れがちだが、マイコミジャーナルではチャンネルを問わず、Android関連の記事は人気が高い。iPhoneに比べ、世に出回っている情報量が少ない感は否めない(たとえばAndroidの解説本は書店でほとんど見かけない)が、少なくともITにかかわる仕事をしている人にとっては無視できないトレンドである。なんといっても、日本最大の携帯キャリアであるNTTドコモはAndroidを担いでいるし、携帯電話だけでなくモバイルデバイス全般をポーティング対象にしているオープン性も見逃せない。今後も要注目のテクノロジである。

5位と8位はAppleもの。Appleはある意味、敵を作りやすい会社でもあるので、当然ながら訴訟沙汰も多い。先月、携帯電話シェア世界No.1のNokiaがAppleを特許侵害で訴えた記事があったが(週間ランキング入り)、8位の記事はそのNokiaを携帯電話事業の収益で抜いたというもの。3年前には誰もAppleが携帯電話を出してくるとは思っていなかった。iPodにつづき、iPhoneでもイノベーションを起こしたSteve Jobs氏はやはり「21世紀のCEO」と呼ぶにふさわしい人物なのだろう。

2週連続1位を記録したのは、10月16日に掲載したマネージャの心得の記事以来2回目。ビジネス系のニュース記事は寿命が短い(=注目される期間が短い)のは仕方がないことなのだが、これらの記事のように長く読まれる記事もバランス良く掲載していきたいと思う。