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不況の波はIT産業の中心地シリコンバレーにも押し寄せているが、将来の起業を目指して数多くの人々が日々準備を進めている。その原動力となっているのがiPhone/iPod touchのApp Storeの存在だ。米Wall Street Journalが、このiPhone/iPod touchアプリを取り巻くシリコンバレーの最新事情を紹介している。
自宅のリビングルームやガレージを利用して仲間が集まり、本業ではなくパートタイムとして仕事を進めていく - こうした仕事スタイルを"Cottage Industry"と呼んでおり、かつてのHPやApple、Googleなど名だたる企業を生み出したシリコンバレー特有のスタイルだ。現在、彼らはこのようなワークスタイルで日々iPhone/iPod touchアプリの開発を続け、あわよくば本業への昇華を狙っているというのだ。
例えば、Googleのお膝元、米カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするSnapture Labsと呼ばれる企業の共同創業者Samir Shah氏(26歳)は、この現象を「我々の世代の"ドットコム・ブーム"だ」と表現している。Snapture Labsは1.99ドルのカメラアプリを開発しており、これは9月公開以来写真アプリ部門のトップランクに位置している。Shah氏と2人の創業メンバーは米東海岸のペンシルバニア州ピッツバーグにあるカーネギーメロン大学(CMU)を2007年に卒業し、すぐにシリコンバレーへと移転してきた。現在はiPhone/iPod touchアプリ開発をメンバーの1人のアパートに集まり、空き時間を使って続けている。
シリコンバレーがiPhone/iPod touchアプリ開発の震源地になっているデータがある。iPhone/iPod touchの広告交換ネットワークを運営するMobclixによれば、同社に登録されている4,000のアプリのうち、41%が北カリフォルニア在住の開発者だという。シリコンバレーを中心したエリアだ。それに14%で米ニュージャージーを含むニューヨーク周辺エリアが続くという。開発への参入ハードルが低いというのも追い風だろう。
投資面で開発を支援する環境も整っている。例えばElectronic Artsの元幹部によって2008年6月に設立されたサンフランシスコのゲームアプリ開発企業Ngmocoは、3月の投資ラウンドで1,000万ドルの資本強化に成功している。現在では創業時の4人から25人へと従業員も拡大し、現時点で11のアプリのリリースを行っている。大学側も援助を進めており、スタンフォード大学ではiPhone/iPod touchアプリ開発エンジニア養成のコースをスタートした。
iPhone/iPod touchアプリは儲からないという声も聞こえるなか、これら起業家らは明日のリーディングカンパニーを目指して日々開発を続けている。成功率は低いが、新たなゴールドラッシュと呼べる盛り上がりが、iPhone/iPod touchなどの携帯アプリ市場で起こりつつあることは確かなようだ。
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