富士通は、11月9日、ビジネスプロセス管理(Business Process Manager:BPM)ソフトウェアの最新版、「Interstage Business Process Manager V11」を新たに発表した。同日より販売が開始され、出荷は2010年1月下旬を予定している。
新バージョンでは、非定型業務への対応が大きな柱となっている。
富士通の調査によれば、ユーザーの業務プロセスのうち、8割以上が非定型業務を含んでおり、同社では業務プロセスの改革には、状況変化で変わる非定型な業務を管理できず、業務の標準化、見える化ができていないという課題がある認識しているという。
富士通 ミドルウェア事業本部 アプリケーションマネジメント・ミドルウェア事業部 事業部長 矢作毅彦氏は「業務プロセスの改革には、人のノウハウに依存している非定型業務においてIT活用を進めていくことが大切だ。世の中がクラウドに向かうことによって、より安価なサービスが提供されるようになり、今後はダイナミックに対応できるようにする必要がある」と語る。
そして、今回のV11では、「非定型な現場業務を管理し、見える化する」「全体状況を分析し、プロセス改善を行う」「ナレッジ共有による作業品質の向上する」という3つをポイントに機能追加が行われている。
「非定型な現場業務を管理し、見える化」では、現在担当者が抱えている作業や納期、過去の各担当者が行った作業工数等をグラフ表示で見える化することによって、各自の作業量や得意/不得意を考慮しながら新たなタスクの割り当てを行うことや、現在の進捗状況を確認できる。
「全体状況を分析し、プロセス改善」では、あらかじめ定型化できなかった現場の作業を、既存の業務プロセスとあわせて全てのプロセスを管理し、全体のリードタイムから作業ごとの詳細情報をドリルダウンによって分析可能としている。
「ナレッジ共有による作業品質の向上」では、現場でのノウハウを覚えがきのように登録することによって、Wikiで情報共有することができ、これらは作業にひも付けて管理できる。
販売価格(税別)は、「Interstage Business Process Manager V11」が600万円から、「Interstage Business Process Manager Analytics V11」が300万円からとなっている。
富士通 ミドルウェア事業本部 アプリケーションマネジメント・ミドルウェア事業部第三開発部長 吉澤庸一氏は、これまでBPMは保険や銀行など金融が中心だったが、今後は製造などにも販売し、今後3年間でグルーバルで300社に販売したいと述べた。