Sony Ericssonは11月3日(英国時間)、同社初のAndroid携帯「XPERIA X10」を発表した。Androidプラットフォームを採用しているものの、プレスリリースではAndroidにほとんど触れていない。オープンなモバイルOS (Android)の上に、携帯電話で快適なメディア体験とコミュニケーション体験を実現するUX (User eXperience)プラットフォームを載せた"Sony Ericssonらしさ"を強くアピールしている。

XPERIA X10は2010年前半リリース予定の製品ファミリーのフラッグシップモデルとして、第1四半期に登場する。発表文の中でBert Nordberg社長は「2010年前半より、日本を含む世界各国で展開していく」と、日本発売にも言及している。

XPERIA X10

今年後半に入ってAndroid携帯が続々と発表されている。Androidを採用すれば、効率的に最新の技術を採り入れたスマートフォン/多機能携帯を開発できる。しかし安易にAndroidを利用するだけでは、数多くのAndroid携帯の中に埋もれてしまう。Androidの勢力が拡大してきたからこそ、Androidの中でいかにオリジナリティを出していくかが課題になる。その問題に対するSony EricssonのソリューションがUXプラットフォームだ。

同プラットフォームについて同社は「製品ポートフォリオ全体を通じて、新たな機能や性能を加えながら継続的に進化し続ける」としている。特定の機能を指すのではなく、ポータブル機器でユーザーが快適にエンターテインメントやコミュニケーションを楽しめるようにするハードウエア/ ソフトウエア/ ユーザーインターフェイスの包括的な取り組みと言える。

XPERIA X10においては「Timescape」と「Mediascape」がUXを体現したアプリケーションになる。Timescapeはコミュニケーション・アグリゲータだ。電子メール、テキストメッセージ、Facebook、Twitterなど、複数のコミュニケーションに1カ所からアクセス可能。"Infinite"ボタンを押せば、アグリゲートされたアクティビティが時間に沿ってリストされ、1つの画面で確認できる。Mediascapeはコンテンツ(音楽、ビデオ、写真など)マネージャーだ。携帯内のコンテンツのほか、YouTubeやPlayNowなどのオンライン・ソースにも対応する。たとえばコンテンツ再生中にInfiniteボタンを押すと、携帯内またはオンラインサービスやオンラインストアからコンテンツに関連する様々な情報を引き出してくれる。

モバイルアプリケーションも利用可能で、PlayNow、Android Marketを含むオンラインストアを幅広くサポートするという。

Timescape

Mediascape

プロセッサはQualcommのSnapdragon QSD8250 (1GHz)。対角4インチのタッチスクリーン(480×854ピクセル)、手ぶれ補正・タッチフォーカス機能を備えた810万画素カメラを装備。ストレージとして8GBのmicroSDカードが付属する。対応ネットワークは、GSM/ GPRS/ EDGE (850/900/18001900MHz)、UMTS/ HSPA (900/1700/2100MHz)、UMTS/ HSPA (800/850/1900/2100MHz)。Wi-Fi、Bluetooth、A-GPS機能を備える。

縦横の自動切り替え、ジェスチャーコントロールに対応。Androidはバージョン1.6(Donut)。Gmail、Google Calendar、Google Maps、YouTubeなど、各種Googleサービスをサポートする。

本体サイズは119×63×13ミリで、重量は135グラム。センシュアス・ブラックとラスター・ホワイトの2色が用意される。

以下はApplication Planningを率いるErica Kato Marcus氏による、TimescapeとMediascapeの解説。