Juniper Networksは10月29日(米国東部時間)、同社のプロセッサファミリを「Junos One」としてリブランディングし、その最初の新製品として3Dスケーリングテクノロジを実装した「Junos Trio」チップセットをリリースすると発表した。同社が提供するルータ製品「MXシリーズ」向けのモジュラーラインカードおよび3.5インチルータの新製品に搭載される予定だ。

Junos Trioは、Juniperの第4世代ネットワークシリコンとして位置づけられており、ASICのもつパフォーマンスメリットと、NPUのもつフレキシビリティを、トレードオフすることなく、両立させることができる点が最大のポイントだ。1つのチップセットには4つのチップが含まれ、トランジスタ数15億、同時プロセス数320を数える。これにより、搭載ルータのスループットは最高で2.6Tbpsを実現、競合に比較して2 - 4倍の処理速度となるという。

満を持してのリリースとなった新チップセット「Junos Trio」は30もの特許を申請中だという

競合他社に比べて、あらゆる点ですぐれていると自信をみせている

3Dスケーリングテクノロジを実装することで、エッジルータは単一ネットワークにおいてより多くの帯域幅、加入者、サービス(3D)に対応できることになる。その一方で電力消費を抑える設計になっているため、1Gバイトあたりの消費電力が半分で済むという。同社創設者でCTO兼副会長のPradeep Sindhu氏は「Junos Trioの開発には過去5年で8,000万ドル以上を投資した。その甲斐あって、パフォーマンス/フレキシビリティ/電力効率といった面で、明らかに競合他社より先んじることができた。3Dスケーリングテクノロジは、現在の爆発的なインターネットトラフィック増という需要に応えるものだ」と語っている。

Junos Trioが搭載された製品(MX 3Dシリーズ)は、2009年12月から順次発売される予定。

Junos Trioが搭載される「MX 3D」のラインナップ(ユニバーサルエッジ)は12月から順次発売される予定