「メーカーvs権利者ではなく消費者の問題」 録画補償金巡りMIAUが懇談会

 

インターネットユーザー協会(MIAU)は29日、アナログチューナー非搭載のDVDレコーダへの「私的録音録画補償金」を東芝が支払っていないとして、「私的録画補償金管理協会(SARVH)」が同社に対して支払いを求める訴訟提起を決定したことに関する記者懇談会を開いた。

インターネットユーザー協会(MIAU)が29日開いた記者懇談会

「私的録音録画補償金」問題とは?

補償金制度の成り立ちは、1965年の当時の西ドイツが発祥。「録音機器を作るメーカーには、著作権侵害のほう助にあたる責任がある」として、権利者が録音機器メーカーに補償を求めたことが始まりとなっている。1992年に米国でデジタル録音にのみ限定した補償金制度「Audio Home Recording ACT」(AHRA)が成立。日本でもこれを受け、1992年に著作権法が改正、1993年6月から補償金制度が実施されたが、当初は米国同様、デジタル方式の「録音」についてのみだった。だが、補償金の支払い者が「メーカー」ではなく、「消費者」と設定されたのは「世界で日本だけ」(MIAU)という。

その後、2000年7月からは、録音に加え、「録画」も補償の対象になった。補償金の徴収は、メーカーがデジタル録音・録画機器や記録メディアに補償金を上乗せして販売し、消費者は購入時に、価格に含まれるという形で補償金が徴収されている。録音補償金は私的録音補償金管理協会(sarah)に、録画補償金は「私的録画補償金管理協会(SARVH)」に支払われる。両協会はこれを関係権利者団体に分配、権利者団体は両協会に権利行使を委ねることとされている。

この補償金を巡り、文化庁では「私的録音録画小委員会」で議論してきたが、iPodなどの携帯音楽プレーヤーやHDDレコーダ、PCといった現行の補償金制度外の機器についても対象に含めるよう求める権利者側と、著作権保護技術の進歩を理由に同制度の縮小を求めるメーカー側の主張は大きく乖離(かいり)。結局、結論は得られなかった

議論の中で、デジタル放送のみを受信できるDVDレコーダに関しては、メーカー側から「著作権保護のためのコピーコントロール(ダビング10)がなされているデジタル放送のみを受信するDVDレコーダに関しては、補償金の対象外とすべき」という趣旨の主張がなされている。東芝では、2009年2月に発売したデジタルハイビジョンレコーダ「VARDIA(バルディア)」シリーズの新モデル「RD-G503」「RD-E303」について補償金を課金していない

文化庁ではこれに関し、2009年5月に著作権法改正が行われた際、施行通知において、「デジタル放送専用録画機が発売されて関係者の意見の相違が顕在化した場合は調整を行う」ということを明記。だが、文化庁は、2009年9月8日、私的録画補償金管理協会(SARVH)からの照会に回答する形で、「アナログチューナー非搭載のDVD録画機器が、著作権法第30条第2項に規定される私的録音録画補償金制度の対象機器に該当する」との文書を文化庁長官官房 著作権課長名で出した。

これを受ける形でSARVHは、10月21日、補償金の支払い期限がすぎた東芝に対し、補償金の支払いを求める訴訟提起を決定した。

津田氏「『メーカーVS権利者』でなく消費者の問題」

MIAUの津田大介氏

東芝への訴訟提起を受け、29日に東京都内で開かれた記者懇談会には、MIAUの小寺信良氏、津田大介氏、主婦連合会の河村真紀子氏らが出席した。津田氏、河村氏は文化庁の「私的録音録画小委員会」の委員だった。

河村氏は、10月7日に文化庁長官、消費者担当大臣、消費者庁長官、消費者委員会委員長に提出した、主婦連合会の要望について説明。要望書では、「私的録音録画補償金の在り方については、消費者、権利者、メーカーを含む公平な人選のもと、透明性の確保された審議の場を設け、そこで引き続き合意を目指すべき」「アナログチューナー非搭載のDVDレコーダを補償金の対象とするとした文化庁著作権課長の回答は撤回し、議論の結論が出るまでは保留すること」としている。

MIAUも10月9日、同様の要望書を文化庁長官らに提出したが、懇談会で津田氏は、「(問題の)根本は、文化庁の小委員会でメーカー、消費者、権利者の意見の隔たりが大きかったのが背景にある」と説明。「小委員会では、補償金を払いたくないのではなく、納得ができる説明が必要と訴えた」と述べた。

その上で、「(1)著作権保護技術(DRM)をかけるのであれば補償金は課金しない、または、(2)DRMをかけないのであれば補償金を課金してもよい、と主張してきたが、権利者は1枚でも2枚でもコピーができるのであれば、補償金を払うべきとの立場で、意見の隔たりは大きかった」と述べた。

さらに「ダビング10によりコピーが制限された環境にあり、孫コピーもできず、録画機器による逸失利益があるのかが争点。また、報道では、『(東芝が)払うべきものを払っていない』という論調だが、(補償金を)払っているのはあくまで消費者であり、『メーカーVS権利者』ではない。消費者が納得できる補償金を払うかどうかを(争点として)報道してほしい」と訴えた。

記者からの、「東芝とSARVHの訴訟はどうなるのか」との質問には、「結末がどうなるかは分からないが、どこに問題があるかと言えば、(関係者の意見の相違が顕在化した場合は調整を行うとした)施行通知がちゃんと文書で出されたにもかかわらず、調整されないまま、(私的録音録画補償金制度の対象機器に該当するとする)文書を文化庁長官官房 著作権課長名で出した。僕らにとっては"寝耳に水"で、筋が通らない」と文化庁の対応を批判した。

「政権が自民党から民主党になったことによってどうなるか」との質問には、「(政権交代の)混乱の時期を見計って(課金対象に含めるとした)という要素があるのではないか。文化庁は勇み足だった」と述べた。小寺氏は、「この問題をぜひ消費者庁にとりあげてほしい」と話した。

「(諸外国のように補償金を)負担するのが、消費者ではなくメーカーになれば良いとは考えるか」との質問には、河村氏は、「メーカーであればそれでよいとは考えていない。DRMを施している機器には、補償金はかからないほうがいい。何らかの他の制度があっていいのではないか」と述べていた。



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